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ロティーナサイクルの終焉-J1参入プレーオフ決定戦-

今年からのレギュレーション変更により迎えたJ1ジュビロ磐田とJ2東京ヴェルディによるJ1参入プレーオフ決定戦。いわゆる入れ替え戦。

磐田はホームでの試合に加えて引き分けでもOKというアドバンテージ。対する東京ヴェルディは勝利のみがJ1への道。

ヤマハスタジアムに着く。たくさんのヴェルディサポーター。緊張感は漂うもののどこかリラックスしているような雰囲気。天気はとても良い。ジュビロサポーターも団結してこの試合に賭けていた。

試合前、ロティーナ監督がピッチの感触を確かめるためかセンターサークルまで歩いて出てきた。ヴェルディサポーターからの声援に応えるロティーナ。今思えばこのシーンも、どこか示唆的だったかもしれない。

スタメンにはなぜか内田が居なかった。そしてキックオフ。いつもの良さが出ないヴェルディ。これがJ1との力の差なのか、はたまた緊張からなのか。ジュビロの前からのプレスに手を焼き、パスミスとボールロストを繰り返す。前半41分、一瞬のパスワークから抜け出したジュビロの小川をGK上福元が倒してしまいPK献上、そして失点。後半からミスの多かった梶川を下げて渡辺を投入。直後、ドウグラスを下げてレアンドロを投入。ようやくシュートを放つもチグハグなまま試合は進む。そして後半35分、微妙な判定で小川を渡辺が倒したとされFK献上。田口にそのFKを直接決められ終戦。2-0の完敗だった。

なぜ内田を出さなかったのか?
なぜドウグラスを早々にレアンドロに替えたのか?
なぜ終盤に香川ではなく奈良輪を下げたのか?
これまでのセオリーとは違う采配が不可解ではあった。
シュート本数17:3がこの試合を物語る。この試合でヴェルディは全てを出し切れたのだろうか?完全燃焼していただろうか?その点に関しても疑問符が付く。でも、届かなかったという事実。

試合後、サポーターから選手達へのブーイングはなかった。拍手と声援。何度もごめんなさいのジェスチャーをして泣いていた田村が印象的だった。

試合後のロティーナ監督とイバンヘッドコーチが2人で出てきてサポーターに挨拶。2人はハグをし、ロティーナはエンブレムをつかみ、サポーターにアピールして見せた。これが別れの挨拶なのだと誰もが悟っただろう。惜しみない拍手。

私の目の前で、ずっと笑顔でサポーターを鼓舞していたサブコールリーダーが泣いてこう言った。「また来年頑張りましょう!」私の涙腺は崩壊した。そのシーンを思い出して、シャトルバスの中でもなぜか涙が止まらなかった。

昇格できなかったことや敗戦の悔しさよりも、ロティーナ監督によるヴェルディの1つのサイクルが終わったことに寂しさを感じた。

2018年12月8日 J1参入プレーオフ決定戦
ジュビロ磐田 2-0 東京ヴェルディ
ヤマハスタジアム

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