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片野坂ガンバに注目する3つのポイント

前回のnoteから9か月が経ってしまった。宮本監督が解任され、新しい監督が正式発表されたら書こうと思って下書きをしていたが、松波サンへのヘイトが溜まりすぎて「誰がこれ見んねん」という自戒の末お蔵入りとなり、今に至った。

そして何とか残留が確定し、大分トリニータから片野坂監督を引き抜いて2022年シーズンを迎えることになったガンバ大阪。片野坂監督が率いるガンバ大阪で注目しているポイントが3つあるのでそれをここでは記する。

1. 戦術的な変化
2. 選手の再生
3. 「ガンバイズム」からの解放


1.戦術的な変化
ガンバといえば、圧倒的な個人能力により敵をせん滅する、そんなイメージがある。組織力?選手同士の相互理解でしょ?みたいな。宮本前監督などがそれを覆すべく色々と試行錯誤を重ねていたのはガンバサポーターならご存じの通り。しかし、結果としてその旅路は2021年の道半ばで閉ざされることとなった。前年度の成績不振の理由の考察について詳細は割愛するが、その理由の一つに「コーチ陣の組織力」があったと思っている。

監督:片野坂 知宏(前所属:大分トリニータ)
ヘッドコーチ:安田 好隆(前所属:大分トリニータ)
コーチ:児玉 新(前所属:ガンバ大阪)
コーチ:上村 捷太(前所属:大分トリニータ)
GKコーチ:吉田 宗弘(前所属:ファジアーノ岡山)
フィジカルコーチ:矢野 玲(前所属:FC琉球)

今年度のスタッフ編成で「チーム片野坂」色が強いことはこれまでのガンバの傾向からするとかなり特殊に見える。児玉コーチ以外は全員新任であり、安田ヘッドコーチと上村コーチは大分で片野坂監督と一緒に仕事してきた人物である。「片野坂監督がやりやすいような編成」を意識したようにも見えてくる。

元々、ガンバが個の能力の高い選手をそろえていることは間違いなかったが、それが十分に発揮できていなかったのはここ数年の戦績を見れば明らか。コーチ陣の組織力が高まり、戦術的な部分が十分に落とし込まれて「戦える」ようになったガンバを、今年は見られるのではないかと思っている。


2.選手の再生
昨年、十分に力を発揮して活躍できたな、と思える選手は何人いただろうか?私はGK東口、FWパトリック、くらいではないかと思っている。
数字が出る攻撃陣の選手で挙げてみると、昨年がどうだったかがわかりやすい。

宇佐美貴史      2021年:6得点
レアンドロ・ペレイラ 2021年:5得点
倉田秋        2021年:1得点
小野瀬康介      2021年:0得点

また、中盤や守備陣に目を移してもケガや過密日程の理由があったとはいえ、三浦・高尾・福田・山本あたりが十分に力を発揮したとは思えない。
山見・齊藤・ギョンウォンなど新戦力の台頭に期待するのも良いのだが、それはエースが活躍する前提があってこそ。監督が指名した新キャプテンが倉田、副キャプテンは宇佐美と三浦であり、彼らに対する期待も垣間見える。片野坂監督が今年の目標に設定したのは50得点以上・40失点以下。前年の33得点・49失点から目標を超えるためにも、既存選手の再生に注目している。


3.「ガンバイズム」からの解放
一番言いたいことはこれに尽きる。どこのチームでもイヤと言うほど見られる「攻撃的サッカー」というこのキーワードをOB路線と絡め合わせてガンバ的に言い換えると「ガンバイズム」になると思っている。ガンバイズムに明確な基準はおそらく、ない。そしてそれはプレーモデルなどでは決してない。

西野監督が率いていた頃の、奇跡的に出来上がった攻撃的スタイルの印象がいまだに強いのは、もはや呪縛と言ってもいい。「攻撃的に戦います」と言えば、スポンサー受けはいいのだろう。しかし、その呪縛からもう解放されるべき時なのだと思う。「攻」も「守」も出来なければ、強くはなれない。


片野坂監督は新体制発表時に「選手に強いガンバを求めたい」とコメントした。片野坂監督いや、チーム片野坂には新しいガンバらしいサッカーを見せてくれることに期待したい。

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