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10分でわかる!オーソモレキュラー栄養学(分子栄養学)

「健康に対して投資をしたい」
「最期まで五体満足で人生をたのしみたい」

こんな方に、当記事を読んでもらいたい。

オーソモレキュラー栄養学(分子栄養学)とは何なのかから、具体的な活用方法までまとめた。

たった10分で読める記事で、人生が変わったら?
さあ、見ていこう。

オーソモレキュラー栄養学とは

ヒトは分子で出来ていて、各分子は栄養素によって保たれている。つまり
栄養によって全身の分子を整えることができれば、理論上、超健康になる
という考え方である。病気や体調不良は根本的に改善したり治せるという立場に立っている。

"ortho" (オーソ)=整える
"molecular"(モレキュラー)=分子

その名前の通り、オーソモレキュラー栄養学とは「分子を栄養によって整える」という意味だ。

栄養 nutritionとは
生体が物質を体外から摂取し、消化、吸収さらに代謝することにより、生命を維持し、健全な生活活動を営むこと

Ⅲ栄養指導 - 厚生労働省

オーソモレキュラー栄養学では、食べたものを体内で細かくして栄養素とした後に吸収し、体内の必要な箇所で使い、要らない部分は便や尿として出す所までを最適化することが目的となる。

具体的には、食事・サプリメント・デトックスを用いて、体調不良や病気を改善したり治したりする。
なお、食事とサプリメントは加える(+)考え方であり、デトックスは引く(-)考え方だ。


これを読んでいるあなたは、おそらくオーソモレキュラー栄養学を自分自身の体調に活かしたいと思っている方だと思う。しかし、最初にオーソモレキュラー栄養学のサービスを提供する側の視点で見ていった方が、最終的な理解が早い。

この理由から、ここは敢えてサービス提供側の視点でオーソモレキュラーの使われ方を紹介する。1つめは一般の現場、2つめは医療現場の説明だ。
さあ、見ていこう。

【一般の現場】ヒアリングをしたうえで、健康増進のためのアドバイス

例えば「いつも疲れが取れない」という田中さんという女性が居たとする。オーソモレキュラーの有識者※1が、彼女の食習慣をヒアリングすると、その体調不良の原因が食事のとり方だったりする。その場合に、有識者は食事のとり方や内容を改善するためのアドバイスをAさんに提案する。

このようなケースは、アドバイス自体は健康増進のためのものであって、治療目的の医療行為ではない。「食事の内容を変えましょう」と言っているだけ。

田中さんがそのアドバイスを実行したら、疲れが取れやすくなっただけではなく、長年の悩みだった生理痛が消えたとしよう。結果的に生理痛の薬を飲まなくてもよくなったとしよう。これは大きな進歩だ。

しかし、大事な事なので繰り返すが、有識者は食事のアドバイスをしただけである。ここで、仮に有識者が「これをやったら生理痛が改善されます」と言ったらそれは医師法違反で罰せられるかもしれない。

このように、オーソモレキュラーは扱いが若干トリッキーであるが、健康増進のためのアドバイス自体は知識があれば誰でも出来るというわけだ。

※1
オーソモレキュラーの有識者とは、特別にそれについて学んだ人達の事。
無資格だが知識はある人、一部の栄養士や管理栄養士などの医療従事者など。

【医療現場】詳しい血液検査で不調/病気の原因を推測

オーソモレキュラー栄養学を活用した医療行為は、医師免許を持つ者のみ許されている。

一般の健康診断の血液検査の項目でも分かる部分もあるが、オーソモレキュラーの医院ではそれの約5-6倍の数の項目を見る。

医師は、それぞれの項目の関連づけをし、患者の状態を理解し、サプリメントを処方する。基本的に薬は処方しない。

診察中に医師が話す内容は、このような感じ。
「〇さんは、AとBの項目がとても低いです。いつも疲れが取れない原因はそれでしょう。また脂肪肝の可能性があるので、食事の内容を変えて改善していきましょう。理想的にはAとBをこの基準まで上げていきたいので、C,D,Eというサプリメントを入れていきましょうか。」

以上のように、何かの症状や疾患を改善したり治したりしたいと思った際に、具体的な数値目標を示してくれるのがオーソモレキュラーを学んだ医師である。

患者の方は、食事の内容を改める事と併せて、医師から処方されたサプリメントを飲む。それがオーソモレキュラー医学の治療である。

なおオーソモレキュラーは医学部で習わない内容なので、血液検査を深読みすることができる医師の数はかなり少ない。

既存栄養学とオーソモレキュラー栄養学の違い

栄養士や管理栄養士の卵が学校で習うのは、既存の栄養学だ。オーソモレキュラー栄養学は全く習わない。よって「栄養学」という名前だけは共通してはいるものの、目的も期待できる結果も違う。

下記を参照してもらいたい。

既存栄養学とオーソモレキュラー栄養学の違い

いまいち違いがピンとこない場合、健康バロメーター(0~100)の例えが分かりやすい。

超健康な状態→100
けっこう健康な状態→70
病気ではない状態(一般的な健康診断でオールAの状態)→50
何か体調不良や病気などの懸念がある状態→30
死亡→0

既存栄養学の考え方→50を目指す
オーソモレキュラー栄養学の考え方→100を目指す

いかがだろうか。
あなたはどちらの栄養学を、自分自身の身体に使いたい?

ヒトの触れる部分(物質面)の材料は全て栄養素

当たり前すぎて見過ごしがちだが、私たちの身体で触れられる部分(物質面)の原材料は栄養素である。そのほとんどがタンパク質で脂質も使われている。それらを身体の材料として使えるようにするためには、十分な量のビタミン・ミネラルが必要だ。

ざっくりだが、あなたの身体を木造の家に例えてみよう。
骨組み、床材、壁紙、壁材など→タンパク質
接着剤、断熱材、ネジなど→脂質
エアコン→炭水化物
空気→ビタミン、ミネラル

仮に木材が足りなかったとしたらそもそも家としての形が造れないし、断熱材が無いと冬は寒すぎてやってられない。それに、空気が無かったら生き続けることが難しい。そういうイメージで捉えてもらいたい。

このように、ヒトの物質面は栄養の営みで成り立っているからこそ、オーソモレキュラー栄養学は有効なのだ。また、個々人のライフスタイルに合わせて栄養素の需要を推測したうえで、食事やサプリメントをとっていくので、理論上、既存栄養学よりも超健康に近づくことができるというわけ。

次は、実際にオーソモレキュラー栄養学を活かして自身を良くしたいというあなたに、3つの選択肢を提案する。

方法①自力で本から情報収集

この方法は活字を読むことができる人にだけおすすめする。オーソモレキュラーに関する関連書を、少なくとも10冊以上読んだうえで、ご自身の食生活に応用してみてほしい。

なぜ最低10冊以上なのかというと、同じ問題に対して複数のやり方が存在するから。たいていの場合、本の著者はオーソモレキュラーを学んだ医師なのだだが、医師によって方針が違う。例えば、自分のクリニックが提携しているサプリメント会社のラインアップありきで処方する医師もいれば、一般人が手に入るようなサプリメントも採用するという方針の医師もいる。
だから、色々な医師の本を複数冊読んでほしいのだ。

繰り返しになるが、この方法は、たくさんの本を読むことができ、自力で情報収集ができる人だけ、おすすめの方法である。

Youtubeに関しては、情報の出典が不明確な場合が多いので、主な情報の取りどころにするのはおすすめしない。また、本の要約動画で、紹介者の主観により本の著者の意図と違うニュアンスだった、ということもあるかもしれない。もちろん中には有益な動画もあると思うので、出典が明確かどうかと、紹介者の解釈(感想、主張)に注意して観てほしい。

方法②オーソモレキュラー栄養学を学んだ有識者にアドバイスを求める

前述したようなオーソモレキュラーを学んだ有識者にアドバイスを求める方法だ。Twitter, Instagram, FacebookなどのSNSで、きちんとしてそうな有識者を探しコンタクトを取ってみよう。

オーソモレキュラーを実践するための知識の習得には相当なコストがかかるので、有識者にアドバイスを求めるのが一番早い。

ここで、民間でオーソモレキュラーのコースを提供している2つの団体を紹介する。
・分子栄養学実践講座運営事務局(コース名:分子栄養学実践講座
・一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所(コース名:ONP/ONE養成講座
他にも色々な団体が講座を出しているかもしれないが、私は詳しくないのでここでは挙げない。このような講座を受けている人達の中から、ご自身のアドバイザーを選んでも良いかもしれない。

なお有識者にアドバイスを求める場合でも、自分でにより情報収集することを強くおすすめする。

方法③オーソモレキュラー栄養学を学んだ医師の診察と処方を受ける

体調回復の緊急性が高いか、毎月万単位の予算を治療費にあてられる経済力がある場合におすすめする。

最初に挙げた緊急性が高い場合というのは、例えば下記のような場合だ。
・既往歴がある(前にガンにかかった事がある、二型糖尿病を持っている等)
・体調がすこぶる悪い、体調が慢性的に悪い
・近い未来に妊娠したい 

二番目に挙げた予算について。前章の図内で説明した通り、オーソモレキュラーは自由診療のため治療費が高い。検査費用は最初だけや数か月に一度だけ発生するだけだが、万単位だ。サプリメント費用も種類が増えるほどかさむ。

私の話をしよう。クリニックにかかっている患者を2名知っているが、ひと月万単位の医療費がかかっている。医師と会うことで発生する診察代も15分話すだけで1万円前後かかる。

オーソモレキュラーのクリニックでは予算を相談できるとはいえ、例えば月に1万円の範囲でできる治療と5万円でできるそれと、効果は同じでは無い。

クリニックにかかる際には、決して予算を節約しすぎないようにしよう。一番価値が高いのは、医療費ではなくあなた自身なのだから。

まとめ:どんな方法であれ、なるべく自分自身で情報収集に努めつつ、信頼できる専門家に助けてもらおう

オーソモレキュラー栄養学をあなたの食生活に応用すれば、あなたの体調不良や病気が良くなる可能性がとても高い。

しかし、100%自力でやるのはあまりにも大変なのでおすすめしない。出典が確かな本から情報を集めつつ、信頼できるオーソモレキュラーの有識者にアドバイスを求めてみよう。

自分の身体は自分で責任を持つ。専門家任せにしない姿勢を持つことと並行し「この人だ!」と思う専門家と一緒に、体調を改善していって欲しい。


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