【動機を持った犯行者】…とは?『ALSOKが教える おひとり女子が自分を守るための本』レビュー


タイトルにも言いたいことはあるけど、ぐっとこらえて
感想を書いていきます。

※それぞれの太字見出しは私が付けました。



【女性の犯罪被害統計】

2017年警察庁「H29年の刑法犯に関する統計資料」によると
被害が女性である割合が特に高い犯罪は下記のとおり。

★強制性交等  98.6%
★強制わいせつ 96.6%
★公然わいせつ 90.9%
・略取誘拐   84.9%
・ひったくり  80.3%

の高割合で、被害者のほとんどを女性が占めている。

★3つは性犯罪、また略取誘拐も主に性犯罪目的で、
また、ひったくりについては
女性は力が弱い、ハイヒールで追いかけてこられない
などで狙われている。

性犯罪、性犯罪、性犯罪。
力が弱い、
強制された「走れない痛い靴」
でねらわれるのはこんなに高確率で「女性」なのだ。


【防犯には犯罪機会論】

■犯罪機会3要素
1.動機を持った犯行者
2.格好の標的
3.有能な監視者が居ない状況

犯罪が起こる要素として、これら3点をALSOKは上げている。
私がしょっちゅう引用させていただいている、
犯罪学の小宮信夫教授が提唱する「犯罪機会論」を
ALSOKも導入しているようだ。

……犯罪機会論に照らしてみると、
「男が女性を自認してるなら女性だ」
「その【移行状態】によって、女性施設を使えるべきだ」
「ケースバイケースで具体的な合理性をそのときそのときで判断」

などという、到底ルールとも言えない運用は、

有能な監視者の目を覆い(誰にも内心は見えないから)
格好の標的(判断や非難能力の少ない少女など)に、
動機を持った犯行者(……どんな人だと思う?)
を近づけることにほかならないと思う。

書籍に戻る。

【バレないためのミッションインポッシブル生活】

一人暮らしとバレると、女性は非常に危険であるという。
また、マンションの、どの部屋に住んでるかがバレるのも危険だ。
そこで、バレないためのテクニックが紹介されている。

・コンビニでは弁当などを二人分買うか、箸を複数もらう
・家に入ってもすぐには部屋の照明をつけない

一人暮らしなのに、食べもしない弁当をふたつ買い、
家に入ってもしばらくは暗闇でじっと過ごす。
女性に生まれただけで。
【動機を持った犯行者】がこの世に居るせいで。

そして、電車に乗るときはもちろん女性専用車両に乗ることが推奨されている。
ホームでは、女性が多い列の後方に並ぶ。
前方だと、後ろから来る【動機を持った犯行者】に押し込まれてしまうからだそうだ。

【命を奪う、躊躇】

>いざというときのためらいは命取り

そう、退避の躊躇は、女性にとって「命取り」だ。


「この人の心は女性かも……であれば逃げたら傷つける……?」
そんな躊躇を抱かせる制度は女性・少女の
命を奪うのである。

そう、命を奪うのである。
生存権の侵害だ。


おおまかな感想は以上です。
防犯に役立つのはわかるが、
なんで私らはこんなにしなきゃ生きていられないんだ、
と絶望もさせられる書籍である。

「【動機を持った犯行者】をなくすための本」もぜひ出してほしい。

それにしても

【動機を持った犯行者】……って99%の確率で
どんな人なんだろうね?

そして、そんな犯行者に狙われやすく、
ただ生きるためだけに
ここまでせねばならない【女性】とは?
「自認」ではないことは、明白だと思うけど。


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