#高石市の事件を考えよう ③身体無視の危険から逃げられる人は居ない、それが性自認をもつ人であっても。

政党や著名人が「LGBT差別反対」を言ってる。
社会を変えろ、差別禁止は絶対正義だと。
でもその内容の、全てを鵜呑みにしていいのだろうか。

たとえば「心が女なら女として尊重せねば差別」「女好きで妻子居る男性も、女性と自認すれば戸籍を変え女の身分証を発行できる」
は絶対正義と言えるだろうか。


そんな主張に
「それを呑むと女性が危険では?」と懸念を示す私たちは「トランス差別者」の烙印を押されてきた
「性自認を疑うな。心は女性と言っている人は女性だ。他の男性同様に警戒することは、当事者を死に追いやるひどい差別だ」と。

だけど、大阪府高石市で連続暴行事件が起きてしまった。


それは報道を見る限り、私たちが心配していたとおりの事件だった。
服やメイクやネイル…いわゆる女装の男性が「心は女性。女性の体に興味ない」と言葉巧みに、部下や障害のある女性らを騙して性的暴行をはたらいていたという卑劣な犯行だ。

「心の性別」って何だろう?もし「女性の心」なら、女性と同等の性犯罪率なのだろうか?
その「性自認」は悪用しないと言い切れるのか。
また、悪用するために持ち出す男性との、客観的な区別はつけられるのだろうか?

たとえば心の年齢が子供だと自認して「あそぼ!」と言ってくる大人を、子供は警戒すべきだと私は思う。
国が、この大人には小学校への入学を認めてあげるべきだと言い出したら、多くの保護者がNOを言うだろう。
彼が何か問題や困難を抱えているとして、彼には「子供に子供として受け入れさせる」以外の、別の治療なり対応が必要だ。

そして、女性が「男性の心」なら、ほかの女性のように被害を受けにくくなったり、望まぬ妊娠の恐怖にさらされないというのだろうか?

性自認をもつと言う人も性自認なんてもってない私も、意識がなくなったときですら
すべての人に共通して体という事実がある。

植物状態の女性を介護士の男が暴行して妊娠させた事件や、
亡くなった女性の遺体を暴行した男の事件のように、

被害者の自認とか心なんて、それどころか生きてるかどうかすら加害者はなにひとつ考慮しないし、ただ無情にそこに
加害が容易な体と、
それに狙われる不利な体があるというのが事実だ。

体の性別を無視し、「心」で思う性別どおりに扱えとなると
女性は、同じ不利な体をもつ女性に対する程度まで男性への警戒を大幅に解かされる。
女性スペースに入らないでと言うことに、躊躇や罪悪感を感じる。
笑顔で迎え入れてあげないと、と進んで協力しようとする女性も出てくる
(手を繋いで女子トイレへ連れて行ってあげましょう!と勧めている本もある…)

学校でも「性自認への差別はだめ」と教えられる昨今、障害のある方や子供なら尚更、どうすべきか混乱することだろう。

弁護士や医者や教授や著名なフェミニストや、殆どの政党がいま
「戸籍を変えて女性としての法的身分証を持つのが、男性器あって妻子が居る男性であってもいいじゃないか」
と言っている。
海外はそうだから、と。
そんなこと受け入れるの無理!と思わない女性、どれくらい居るだろうか?

先行国はもちろんトラブルや批判があって、いま方針転換し始めているところなのに
日本は先行国の誤った方向へ、まだいったん行ってみると言う。
(女性をレイプした男が「心が女性」と言って女性刑務所に入り、女性受刑者をレイプする…など。地獄だ)

男女とは、心じゃなくて体の違いを示す区分だ。
腕力の差、機能の違いがまずあって
それをあらわすための区分。

その体が違うと、その体で生きた経験も違う。
それによって性犯罪率も、
社会的取扱も、
そして悪意を向けられた結果の深刻さもまるで違っている。

そこを無視して、自認という主観を優先し、「心で上書き」すると深刻な被害を受けるのは、女性と子供だ。

そう言ってきた私たちは
「性自認者を存在否定している差別者」「トランスヘイター」
と言われてきた。

でも、じゃあ、
どうすれば、
今回のような被害が発生しないで済むのか教えてほしい。

犯行が完遂できそうな時と場所と存在を加害者は狙う。
だからターゲットとされた人にできることは基本的にあまりない。

狙われやすいと目で見てわかる客観的な属性からは、彼女らのもっていて当然な警戒をけして剥奪せず、

かつ社会全体として「見張りの目」を持てるルール、対策を共有する必要があると思う。

ついてはあらためて、
子供や障害者や情報を得られない、特に保護が必要な女性を最優先に守るため、

体の違いを

「心、自認」という不透明で、性別やそれにまつわる行動・結果と無関係なことで上書きすることに反対します。

女性スペースだけじゃない。
医療データや犯罪データ、意思決定、就学就労、スポーツ、
いろんなところで、

どうしても身体が不利で、
それゆえに社会的にも軽視され抑圧される女と子供に
しわよせが行ってしまう。

それは、
小さな子供だって女の子だって含まれるトランスジェンダーも、
みんなが最低限 安全に共生していくために必須の前提だと思う。

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