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新宿・東急歌舞伎町タワー、怖いのはトイレだけではないかもしれない。

私も歌舞伎町タワーへ行ってまいりました。
以前行ってくれた、友人のレポはこちら

自分の意思で来たはずなのだが……

奇妙な形のビルだよね。

ビル正面には大階段があって、スタバなどで買ったっぽい飲み物や食べ物を持ったり持ってなかったりする男女が、階段にたくさん腰掛けている。
エスカレーターに乗るには長蛇の列。

正面に向かって立ったとき、ひたすら混んでいるからということだけではなくて、なんとも理屈では説明できない「あ、嫌だな。入りたくない」という本能的な拒否感に見舞われる。
新しいスポットに対するワクワクがない。

階段を上がるとすごく狭い入り口があって、出ていく人と入ってくる人とで人の渦ができている。

写真で見ると楽しそうだけどね

すごく人が多いのに、活気がある感じがしない。
みんなここに魅力を感じたから自分の意思で楽しみに来ているのだ、というふうに見えない。
私とて、もちろん自由意志で来たはずなのだが、
なにかに知らぬ間に巻き込まれていくようである。
不気味だ。

でもとにかく、トイレに行ってみよう。

2階の「ジェンダーレストイレ」という名の男女共同便所。

2階のトイレは、雑踏の果てに押し込められたトイレ、という印象。
あっちからもこっちからも人が来る。
頭がごちゃごちゃしてきて、ちっとも落ち着いて利用できない。

個室に入ってからも、外から男性の「ここが例のあのw」「おまえ行けって」「いいわw」といった笑い声が聞こえてくる。
無理。
二度は入りたくない。

違うフロアも見てこよう。
5階は……

5階のトイレ。マークが異常に小さい。
壁に唐突にドアがある様子は忍者屋敷を彷彿とさせる。
壁と思ってうっかりもたれかかったら危険だな。

マーク、ちっさ!!
いや……ちっさすぎるだろう。
こんなちっさいトイレマーク見たことない。


デザインがバラッバラ

3階。

そして3階はマークでっか!
こんなでっかいトイレマーク見たことない。
さっきと全然サイズ感ちがうじゃないか。
不思議の国のアリスの、でっかくなったりちっさくなったりするシーンみたい。
何なの?何がしたいの?意図が読めなくて怖い。

女性のマークは内まただし……

この 5階と、2階と、3階の
トイレマーク、なんでこんなに大きさもデザインもバラッバラなの?
何なの?
怖い。

2階は男女半々人間マークがある

全く統一性がない。
フロアのコンセプトに合わせてるのか?とも思ったが
合わせきっているとも確信がないほどであって、
ただただ不安になってくる。
こんなビル他にある?

3階と5階のトイレでは、2階に描かれていた「男女半々人間」のマークはどこ行ったの。
2階以外のトイレは「男女半々人間」マークが示す人物の使えるトイレはない……ということになるのか?
いいのそれで?SDGs的に?

待ち列の先頭そこなの…

待ち列の先頭位置は、女性個室の前を指定されている。
男性は便意を我慢しながら、いったんそこまで並ぶのか。
「排泄をしたいだけの人」はこれでみんな幸せになれるのだろうか。

車いすで入れるトイレも、フロアによって
Barrier-free
accessible
RESTROOM
とバラバラ。
作った人、これで気持ち悪くない人なんだね。
気が合いそうもない。

なお、「現在どの女性専用個室が使用中かを男性にも大公開電子パネル」は「調整中」となっており作動していなかった。


悪夢の中にいるみたい

私は全然霊感とかないし、ユウレイなんて居ないと思うんだけど
このビルに対する感覚でいちばん近かったのは、
それと知らずに入りなぜかとても早く帰りたくなった
「大阪千日前デパート跡地のビル」である。

あとなぜか「蠱毒」という言葉も脳裏をチラチラした。
開業記念イベントのマーチングも脳裏をチラチラした。

まあでももっと物理的で現実的な……
とてもチグハグなデザインと、設計上、何かあっても助からなさそう・逃げられなさそうなことへの本能的な危険を感じさせているのだと思う。
・集客数にどう考えても見合わないトイレの少なさ
・危険をかえりみないデザイン(トイレ、消火設備、避難路、通路、導線)
・かといって統一されていないデザイン(トイレ表示)
・コンセプトがわからない、こだわりがありそうなだけの空虚感
・ガラス張りで温室状態で暑いのに、中は妙に薄暗い

悪漢が暴れたりとか火事とかまでいかずとも、
あの狭いエスカレーターや人波で誰かがこけたりちょっと流れが詰まっただけでも、韓国の事故のようになりかねない。

小さな子供連れも多かったが、あの人混みで体を触られたりしても親は気づけないと思う。
みなが何を目的に来ているのか、人の流れはどうなっているのか、
落ち着ける場所はどこにも見当たらず、トイレから戻ると同行者がどこに行ったのかも見失う。
常に注意が散漫になり、ひたすら暑くて不快で、なにがなんだかわからない気持ちにさせられる。
熱に浮かされたときの悪夢みたいである。
一刻も早く外に出たいと思った。
排泄とか身体的な安全といった「生」を排除している感じがする。
そんな環境に長居できている人々のことが心配になりながら、タワーを後にした。

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