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写真を見て手まりをコピーする方法


#手まり制作 #写真からコピーする手まり #オリジナルの手まりを作る
#手まりの色のバリエーション

写真から手まりを作るために


ある程度レッスンが進んでくると、多くの作品を写真をもとに類似品を作る事が可能になります。
ある程度とは、最低基礎技法を全て網羅しておく必要があります。
その為、しっかりレッスンをしたいと希望する人には、全ての作品を順番に抜けが無いように作る事と言っています。
作品の範囲は以下の入門コースになります。



これらを全て作り終えると、基本的な技法のすべてのレッスンが終わるようにカリキュラムを組んでいます。
全部作り終えた時、多くの作品の作り方手順が理解できるようになっていると思います。
つまり写真から作品をコピーするための準備がほぼ整ったことになります。

ただし糸を交差しながら手まりの表面を全て埋めるタイプの模様は、まだ難しいと思います。
また作品の作り方がおおむね理解できても、その方法で作れるのか?と検証するにはまだ経験不足と思います。
しかし多くの手まりの写真を見ながら、作り方の手順を検証し、その方法が正しいかどうか実際に作ってみた時、パズルを解くような面白さを感じることが出来た人は作品制作に向いている人と言えるでしょう。

とは言いましても、初めて写真から作ってみようと思ったとき、どこから読み解けば良いのか?その方法を解説しようと思います。

作りたい作品が決まった時に最初にする事


とりあえず作品のサイズを読み解きます。
周囲の物を参考にサイズを決めます。
間違っていても良いです。過去の経験からこのくらいの大きさだろう。とあたりをつけるのです。
そして目的のサイズの土台を作ります。

場合によっては、そんな小さいサイズは無理!とか思ったときは作りやすいサイズに変更しても良いです。
サイズが決まったら地割(じわり、手まりの表面を分割する方法)を確定します。
上下2つ模様の時は数を数えて地割を確定します。
または、8等分の組み合わせ地割(正方形6個の分割)を使うのか、それとも10等分の組み合わせ地割(五角形12個の分割)を使うのかを読み解き地割を決めます。

必要な糸をそろえて、制作手順の仮説があっているかを確認しながら制作を進めます。

色を変化させるために


菊など多くの人が作る模様で最初はレッスンします。
1つの模様を覚えたら、作品のイメージを変えてどれだけ作れるかを試してみます。
最低3パターン、出来たら7パターンくらい作れると良いです。

そんなに色のイメージが作れない。と言う方もいるでしょう。
一番簡単に色のイメージを変えるには、土台の色を変える事です。
昼と夜、春夏秋冬、月火水木金土日。このようにイメージを考えていくと色違いを作ることが出来ると思います。
私は自然や花の写真などを参考に色を選びますが、服地や着物地などをイメージしても良いです。

作品を作る手順


ここでいう手順とは、模様を作るための手順ではないです。
オリジナル作品(色違いも含めます)を作るためにどうするか?というお話です。

出来上がり図をイメージします。
例えば以下の菊の手まりを作る事にしましょう。


土台のサイズと色を決めます。この作品は直径10㎝です。
地割を読み解きます。この作品は16等分で作っています。
地割の糸を決め、花の色を決め、8段のグラデーションをどうするか?糸箱から糸を並べて決めます。
帯の色を決めて帯を抑える千鳥掛け(xのステッチ)の色とステッチのかけ方を決めます。
既に何十個も作った事のある菊なので、糸はすぐに決まります。

しかし制作経験の少ないデザインの場合は、糸はすぐに決まりますが作り方を大急ぎで記録から探していることもあります。
逆にイメージ写真っぽい物があり、そのイメージで作品を作る事もあります。
こういう時はイメージから作品のデザインを選びます。
そしてそのイメージに合わせて糸を選びます。

このイメージ写真が風景の時もあれば、手まりその物の事もあります。
もし手まりが出てきたとき、それが過去作った事のある模様であった場合は大急ぎでメモをとっておきます。
このメモは文字の事もありますし、ラフスケッチの事もあります。
イメージ画で出てきたときは、大雑把なメモを書くこともありますが、メモを作らずに大急ぎで作品に仕上げる事もあります。

その為、完成間近になって、あれ?なんかイメージと違う。となってしまう事もあります。
こういう時の手まりはテキスト無しで、出来上がり写真も無しでイメージだけの中で形にしているのでオリジナルなのかどうか?非常に怪しいのです。
長い間多くの手まりの写真を見て写真から複製したり、いつか作ろうと写真をいろいろな方法で保存し、保存したことさえも忘れている場合があるので、オリジナル!と思っても実際はどれかのコピーだった、などと言う事も十分にあり得るからです。

オリジナル作品でなければいけない時


コンクールに出すと言う場合、出品規約に「オリジナル未発表」と書かれている場合があります。こういう時は絶対に他者とかぶらないデザインである必要があります。
どこまでがオリジナルなのか?見慣れたあのデザインにちょっとアレンジを加えた作品でも許されるのか?それとも完全に未知のデザインでなければいけないのか?


これはコンクール等の状況で変わると思います。残念ながら私は何回かお誘いを受けましたが「オリジナル」という規定があったために出品を断念しました。


コンクールなどでなければ「オリジナル」という規定は適用されませんのであまり気にせずに制作して問題ないです。一応著作権関係は理解したうえで制作販売等を行ったほうが良いので、詳しくは以下の記事を読んでください。


オリジナルとは何なのか?
ここに榎宮祐先生のツイートを貼らせていただきます。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

読んでいただきありがとうございます。 アトリエを無事引っ越すことが出来ましたが、什器等まだまだ必要です。 その為の諸費用にあてさせていただきます。