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スカッとさわやか  てまきねこ1905

「スカッとさわやか」に続いてコカ・コーラと口にしてしまう、そういう人は日本人を年齢で二分したとき年長組に入ります。このCМ、1980年代前半まで使われていたもので、平成生まれの人は知りません。先生と生徒が同じ体験を共有しているかどうかは大切なことで、生徒が知っている言葉を使って説明してあげないと理解してもらえないからです。

「この木なんの木、気になる木」という日立のCМ、1972年の曲ですが私には新しく聞こえます。旧いCМは「あなたの夢を日立がつくる、大きな夢を日立がつくる・・・いつも日立のマークと一緒」。テレビやステレオなど電気屋さんの店頭がまぶしかった頃のCМソング。今では忘れられてしまい、ネットで検索しても出てきません。1960年代を生きた人だけが知っている歌です。

オープンリールのテープレコーダーを見せると高校生は興味津々、テープをセットして音が出ると感動します。案外良い音です。マッチと新聞紙からカンテキに火をつけた人とガスコンロから始めた人、この体験の差は大きい。

半世紀とはそういう時間で、1960年代から半世紀遡ると大正時代。今の高校生が教室で学ぶ高度経済成長とは、1960年代の高校生が世界恐慌を知らなかったように遠い昔の話です。この時間の感覚を考慮して教えてあげないと高校生に理解してもらうことはできません。

1960年代の男の子にとって日本のエレクトロニクスは永遠のあこがれ。最もかっこ良かったCМは「大空をこの大空を、飛びまわる電波NEC」。三菱電機の「心にいつでも歌を持ち、あなたとともに今日もまた」もほのぼのとして好き。この曲はネットで聴くことができます。

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