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ソクラテスの弁明  てまきねこ1708

『ソクラテスの弁明』はソクラテスが話した言葉を弟子のプラトンが文字にした。ソクラテスは多くの人と対話したが一冊の著作も残していない。釈迦・孔子・イエスも書こうとはしなかった。話す人は聞く人の反応によって続く言葉を変化させる。話し手を離れて真意は存在しないと彼らは考えたのである。

プラトンは書き手という人間と真意は別々であるから真意は文字で記録できると考えた。学校は文字で書かれた教科書と話しかける教師が組み合わさっている。主役は教科書、日本の受験は教科書の暗記が重視される。世界史でも教科書に書いてある年号や事項を効率的に暗記させるスキルを持つ教師が評価される。

一方「先生の雑談が面白かったよね」という声がある。雑談では先生が主役で話しての個性が現れるからだろう。暗記の世界史はつまらない。教科書ではなく教師と生徒の対話が教室の主役になれば世界史ほど面白い科目はない。教師の世界観が現れるからである。教師と生徒の相性も大切だ。

インターネットは、生徒が教師を選び教師も生徒を選ぶことを可能にした。素晴らしい。数年前から予備校が世界史講座を提供するようになったが、受験生用の授業の録画なので教科書の解説にとどまっている。しかし、ウエブ会議システムの普及で状況が変わる。教師と生徒が対話しながら学ぶ雑談型の講座がこれから登場するだろう。

私も雑談型の世界史をネットで試してみることにした。名付けて「世界史パブリックトーク」。木曜日の夜、クリック一つで誰でも参加できる。パブリックトークの日本語訳はトークライブ。紅茶でも飲みながら世界史を学びましょう。

続き この試みは、現在「日本史オンライン講座」に姿を変えて続いている。私が日本史を学びなおす必要があり、生徒は私で、大学の先生の授業を受ける。録画をYoutubeに公開しています。

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