見出し画像

状況によって伝達方法は変わる!?|情報を伝える力を考える


今回はこちら、

『元気がでる学びの力 世の中の本質が見えてくる学びのヒント』

を読みました。

「元気がでる学び」というネーミングセンスの良さに惹かれたので、読むことにしました(笑)

この本では、数々の情報に囲まれたネットワーク社会において必要な情報活用能力を身につけ、元気になってもらうための思考法や技術が紹介されています。それぞれの章に問いや例題があるので、ものごとを主体的に考える練習ができます!


情報を伝える力を状況から考える


この本から「情報を伝える力」について考えていきます。

情報の伝えるシチュエーションには3種類あります。

それは、「教授」、「説得」、「伝承」です。



信頼関係のなかで伝える「教授」

僕たちが子どもの頃に受けた授業を思い出してみてください。

伝える側(先生・教授)が受け取る側(生徒)に対して職務として伝えていましたよね?これは、情報の発信者と受信者がともに義務化している(伝える/受け取るの契約関係がある)関係性でした。


生徒は先生を信頼している(もしくは先生が正しいという観念を持っている)ため、情報の正しさを鑑みることなくただただ受け取ります。

自分自身振り返ると、そうだったなぁと思います。


逆に言えば、


教授的な環境は、発信者と受信者の信頼関係が構築されていれば、伝える力が不足していようと、情報は伝わります。


情報自体の信頼性がなくても、受信者は、発信者の視線や姿勢、動作などから信用してしまうのです。

まずは友達のフリして親密になったのちに、あやしいモノを売りつけるという巧妙な詐欺師のやり口もこれに当てはまります。


情報を信頼性を伝える「説得」


2つ目の「説得」は、情報の信頼性を高めて、伝えることです。


グループで旅行先を決めるときだって、みんな自分が行きたいところの良さを伝えて、皆を説得させようとしますよね?仕事でもプロジェクトでの意見の相違を自分の意見の正当性を主張し合うことによって次のアクションが決まります。


この関係性は、「教授」と違って自分と相手のなかに信頼関係が構築されていません。情報自体の信頼性を高めることで相手に受け入れてもらえます。

「説得」のシチュエーションで情報発信者が求められることは、情報の有意性確証性などを提示することです。つまり、情報を受け入れてもらう土台づくりが大事なわけです。


一般社会の情報伝達の舞台の多くはこの「説得」にあたります。

そのため、自分の伝えたい情報をそのまま伝えるのではなく、伝えたい情報の内容構成(取捨選択や、伝える順番など)を再検討してから発言するクセをつけると良いでしょう。


自然と伝わる「伝承」

「門前の小僧習わぬ経を読む」

という言葉ご存知ですか?これは僧のそばにいる子どもが自然と般若心経を読めることになったことから、周りの環境から無意識的に影響を受けていることを表しています。

これは、情報発信者が積極的に発信しなくても、結果的に受信者に情報が伝わっているという状況だとも解釈できます。師匠の動きを目で見て学び、主体的に探究し自分の型とするようなイメージです。


「伝承」は、発信者と受信者が信頼関係を構築している部分は「教授」と同じであると言えます。

しかし、受信者の姿勢が大きく異なります。「教授」では受信者は情報を義務的に受け取る一方で、「伝承」では受信者が自分に必要な情報を周りに置かれた環境のなかの情報から探し出します。


この場合、伝える側にはやることがないように見えます。


しかし、情報発信者には受信者が情報を探し出せるような万全の環境を作ることが大切になってきます。この環境とは実践的な現場やそれに近しい場面を指します。

また、受信者が気づかないことなどを想定して最低限のヒントを提供する必要もあります。


発信者は、受信者に直接情報を伝えるのではなく、情報までのプロセスを提示し、受信者が主体的に情報を手に入れるサポートをしなければなりません


「伝承」は発信者にとっては、「思考の種をいくつも植える」という難易度の高いものといえますが、受信者にとっては「種が芽生える」主体的な取り組みによって情報を取得するので、3つの情報の型のなかで有効性が高いものだと感じました。


聞く側の姿勢によって伝え方を変える力


以上より、

伝える力とは、

情報伝達のフレームワークを受信者側の姿勢によって使い分ける力

だと自分なりに定義づけました。


まずは、情報発信者が

受信者(オーディエンス)がどのような姿勢で受け取るのか?

なぜそのような姿勢で受け取るのか?

(信頼関係がない、情報が信用できない、そもそも既存知識がない、何言ってるのかわからない etc...)


を知り、それに対しての対策を具体的に考え、実行することで情報が伝わりやすくなるでしょう。

(コミュニケーションをとり円滑化を図る、情報のメリットや本物である証拠を提示する、前段階の知識の部分から説明する、情報の取捨選択や伝える順番を変えてみる etc...)


逆に、情報を受け取る側として、自分が置かれている環境から情報を得て、それを何かに活用できるか?ということまで考えてみるのもいいでしょう。



今回は、情報の伝える力について考えてみました。

自分の頭のなかで考えたイメージ・アイデアを、言葉などで形にしてしっかりと伝えられることは自分の強みになると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。



【参考文献】

林德治 藤本光司  奥野雅和(2011)『元気がでる学びの力 世の中の本質が見えてくる学びのヒント』, 株式会社ぎょうせい


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?