広い部屋にただ一人

今年、初めの話。


体調を崩して。いや、もともと精神疾患を抱えてはいたが大企業で障がい者雇用で雇われていて、契約期間満了で解雇されて何もやることがなかった。

通っていた就労支援系のデイケアは会社に雇用されていなければ通うことができない。ので、僕には居場所がなかった。

社会と交わる場所がなかった。

一日、ただ起きて空腹を紛らわし、何をすることもなく眠たい時寝て生活リズムもあったもんじゃない。夜中に起きてコンビニに行くこともあったし、昼過ぎに起きてやることがなかったときは睡眠薬を二日分飲んで無理やり寝たりしていた。


ここは団地の障害者枠住居。2Kという中途半端な広さの割に収入がないせいで家賃は19300円あまり。食費は自炊すれば3万でおつりがくる。そんな自堕落な生活をしていた。


当時、よく考えていたのが何にもやることがないのだ。

自分は何者だ?

何をするために生まれてきたんだ?

何で41年も生きてきて、分け隔てなく話せる友達が一人もいないんだ?

自分の過去を振り返っても、未来を見ても絶望するだけ。

自堕落な生活で年末の健康診断からさらに五キロ太りメタボに引っかかるような二月下旬それは起きた。

「団地の会計やってくれないかね」

話によると、だいたい役員になる前から次の役員というのは決まっているのだ。だが、急に会計をやる人が体調不良で入院してしまい体調がよくないというのだ。役員はできそうもない。

まあ、自分としても障害者は生涯ここで暮らすと思い込んでいた。なので、いずれ役員はやるんだ。なら、傷病手当金と失業手当で仕事をしない来年度がちょうどいい。

思えば団地にはご縁があるものだ。

うちの団地は子供の頃に住んでいた団地だ。で、一人暮らしを考えた時に一度別の単身世帯に申し込んだが落選。今回は入院中に申し込んで補欠当選して入居することとなった。

それがかれこれ5年ほど前の話。

現在では昔の団地と違い新しい建物になっているので快適ではあるが昔からのつてで知り合いはいっぱいいる。

これは無職の41歳男独身の冴えない団地ライフの物語。

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