モバイルで巨大ファイルをダウンロードすることになったら

背景

「出先ではメールしかしないし、時々ビデオ会議あるけど2Mbit/secのデータ通信プラン持ってるから大丈夫でしょ。」
そう思ってたこともありました。でも、最近のパワポは動画入りも多く、1GByteを超えるファイルサイズはざらです。例えば5GByteのファイルをLTEデータ通信でダウンロードすると、約1時間かかります。
オフィスの感覚で巨大なファイルを受け取る羽目になったら、通信速度の限界を思い出してほしいです。

先に結論

先に結論を書かせていただきますが、1G以下ならスマホテザリング。それ以上なら最寄りのシェアオフィスに飛び込むことをお勧めします。

出先でアクセスしやすいデータ通信はいくつかあります。

[公共交通機関のフリーWiFi]

JRや東京メトロ一部の私鉄や都営バスには、フリーWiFiが搭載されています。最近はタクシーにも載ってたりします。以前チラ見した資料によれば、1局あたり10Mbpsとされています。これを乗客全員で譲り合って使うことになるのですが、使った感じ1Mbpsを切ります。鉄道車内のフリーWiFiですと駅間で切れます。PCがダウンロード再開で続けれくれるとラッキーですが、たいてい時間切れで負けます。

[ファストフード店やコーヒー店のフリーWiFi]

数時間滞在できるならコスト的に悪くありません。通信速度は遅くパフォーマンスは悪いので、時間単価の安い方なら許容範囲でしょう。ビデオ会議はブロックノイズが頻繁にでるし、リモートデスクトップ接続は遅延が大きいです。ssh作業程度なら十分ですが。

[ホテルのフリーWiFi]

シティホテルに喫茶コーナーやビジネスラウンジがあると、割と高速なWiFiを使えます。2000円/時間くらいですが、目的は果たせます。場所が少ないのが難点です。

[漫画喫茶、インターネットカフェ]

ネット接続の速度規制をかけていない店舗が多いので、100Mbps以上の速度で作業できます。しかし、ビジネス街には少ない業態なので、なかなか利用することがありません。

[シェアオフィス、ビジネスコンビニ]

1500円/時間でドリンクやお菓子がついてネット使い放題です。これも、どこにでもある店舗ではありませんし、コロナ騒ぎで入場制限があったり、ドロップイン利用を提供していないなどで、使いづらいです。

[ソロワークブース]

駅構内への設置が増えてきた、人間コインロッカーです。30インチくらいのモニタとHDMIケーブル、LANポートかWiFiが設置されており、ドアを閉めれば外から見られることはないです。都心には結構な数設置されているのに、利用者が少ないのでお勧めです。インターネット接続速度は場所によりけりです。事前にスマホアプリのダウンロードと会員登録をしておくといいでしょう。

[次世代通信規格5G]

5Gを提供している通信事業者+まだ数少ない5Gエリア+5G対応スマホとハードルが高いので、利用機会は皆無に近いでしょう。上記の条件を満たしても、通信速度は20Mbpsくらいでがっかりしました。

[4G携帯電話]

現時点では最も手軽でアクセスしやすい方法です。欠点は遅いこと。三大キャリアでも、1GByteのファイルを落とすのに、10分弱かかります。1Gのファイルは案外大きいことに気づかされます。MVNOの激安プランだとバルク転送規制があるので事前に確認することをお勧めします。

[衛星データ通信]

9600bpsとか10Mbpsあたりです。Google系のStarlinkサービスが40Mbps以上でるらしいですが、固定のパラボラ風アンテナ(構造はパラボラじゃない)が必要で、南北方向の天頂が見通せる住所に固定しなければなりません。移動局契約は追加料金が必要ですが、衛星下り回線スポットビームの範囲内(直径60km以内)なら通るという噂もあります。衛星を仕事で使うのは当分先ですね。

USB転送も遅い件

もう一つ、PC間のファイル転送についてもお願いがあります。
USBメモリは案外遅いことを知っておいていただきたいです。バルクのUSBメモリはUSB3.1対応をうたっていても、実力はUSB1.0相当のものが混じっています。USB3.1のPCにUSB1.0のUSBメモリを挿してread/writeできますが、通信速度は低い方(USB1.0,12Mbps)に律速されるからです。さらに、USBメモリの中身であるフラッシュメモリは、動作原理的に書き込み速度を早くできません。ファイルをダウンロードして、同僚のPCにUSBメモリでコピーする際は、1Gbyteあたり30分を覚悟したほうがいいです。

皆さんのデジタルライフに幸がありますように♪

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