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【Teleddy文庫】『泣けない魚たち』 著者:阿部夏丸

こんばんは
今週から毎週月曜日は、我々Teleddyマーケティングチームが、各々かつて読んだ本・マンガ、かつて見た映画・アニメ・ドラマなどを皆様にご紹介してまいります。

コーヒーやお酒を片手に、「JET STREAM」を聞くような感覚で読んでいただければと思います。

初回は「私」が案内するのですが、とはいっても読書が好きだったのは小学生高学年から中学生にかけて。
受験勉強の合間に読んではいたものの、もうそこから数年が経ちましたので、かつて読んだ本の記憶もかなり薄れてしまっております。

そんな中で、脳みその奥底に無造作に置かれた「私」の記憶を引っ張り出し、ほこりをはたきつつ、かつて読んだ本を1つ紹介してまいりたいと思います。


作者の情報


著者は阿部夏丸さん。
今回取り上げる処女作の「泣けない魚たち」や「ライギョのきゅうしょく」など、川魚を中心としてストーリーを展開している作品が多いです。
ストーリーにもたびたび登場する矢作川が流れる愛知県豊田市出身で、矢作川をこよなく愛し、矢作川水族館の館長も務めるほど。
川魚が話の軸になっている作品が多いのも、このような経緯からなのかもしれません。


作品との出会い


『泣けない魚たち』は、私が小学生だったころ、中学受験の国語の物語文でよく取り上げられるような作品でした。私が当時受験勉強で使っていた塾のテキストから、各中学校の前年度の各科目の過去問をまとめた”銀本”という問題集まで。
この本を購入したのはおそらく小5か小6くらいの頃だと思いますが、当時の私はようやくこういった文字だけの小説を読み始めたときでした。
もちろんストーリーの記憶もございませんし、なおかつ当時はまだ国語は苦手科目でもあったため、淡々とただ読んでストーリーを頭の中で描写することで精いっぱいだったように記憶しています。

そこで今回この記事を書くにあたって改めて読んでみて、そこで感じたことなどを簡単に下の「考察」に記します。
やはり小学生の頃に読んでいた本を大人になって改めて読み返してみると、新たな発見があってそれはそれで非常に楽しいですね。

極力ストーリーの中身に触れることがないように注意はしますが、ネタバレを避けて読んでみたいよという方は、こちらに出版元である講談社文庫のリンクを貼りますので、そこからお買い求めの上、読んでいただければと思います。


考察


この『泣けない魚たち』には、表題作『泣けない魚たち』のほか、『かいぼり』『金さんの魚』の3つの短編集からなり、ページ数は約300くらいと短めです。

時代設定は1960~70年代の夏
この3つとも主人公は小学校高学年くらいの男の子です。
「『自然』を知り、指南してくれる『手の届きそうな大人』」と触れ合うことで、このひと夏で主人公は大人への階段の第一歩を踏むことになる、といった感じです。

この「手の届きそうな大人」と触れ合いというのは、あくまでも私の解釈ではありますが、主人公視点で見たとき、家や学校以外で会うことができ、何かしら教えてくれる「師匠」のような存在でもあると思います。
ただあくまで、大人への階段を踏み出そうとしている主人公を引導する立場とも取れる気がします。

大人への階段の第一歩への踏み出し方は様々だと思います。
真面目すぎるあまり悪さをするなどの他者への反抗をしてこなかった人が反抗をするようになるとか、他者の中での常識と自分の中での常識に差異があることを知るとか。

この大人への階段を踏み出すきっかけ、つまり「手の届きそうな大人」と主人公とをマッチングさせる立場にあるのが、「川」や「魚」をはじめとする「自然」で、こういった大人たちの心情を代弁したり、心情変化のトリガーとなる役割も担っているように感じます。

ちなみに表題の『泣けない魚たち』の意味についても本作の中で触れられておりますので、ここでは明言しません。皆さんの目でお確かめください。


今年の夏は、コロナの影響で、外にほとんど出ていないよという人も多いでしょう。また都会在住の皆さんも、あまり「自然」に触れられるような環境になかなか足が向かなかったかと思います。

ただ、都会の喧騒を避け、時には原始的な生活をしてみたくなる方がいるのも事実ですし、近年一人キャンプやグランピングなどといった言葉が出てくるようになったのもその一つかなと思います。

この本を通じて、気持ちだけでも都会の喧騒を避けて「自然」に思いをはせて、子供心に立ち返ってみる
そんな夏も悪くないのかもしれませんね。


最後に


私たちが運営しているTeleddyというアプリは、このような感じで好きな本や読んだ本の感想・新たな発見を、通話やチャットを通じて友達に勧めたり、レビューできるアプリです。
逆におすすめの本などを紹介してもらうこともできます。

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