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世界の希望と絶望が交差する時、あなたはどちらを選ぶのか_第6話
「さぁ、行くよ!」
その合図とともに、一人の少女が走り出した。
突然一人の少女が剣を持って走ってきたら敵も当然驚くのだが、それ以上にこんな少女1人が自分達に敵わないと思っていた。
「テメェら舐め切ってんじゃねぞ!」
少女はそう叫ぶと、焚火のバリケードを突き破ると敵兵に斬りかかる。
「凛、あなたは入口で出てきたのを撃って!」
エイラはそういうと奥に走っていった。
洞窟の入り口に向かって駆け出すと、自分の走っている側洞から本洞が見えた。
服の裾には火が付き、剣は赤く染まっていた。
洞窟の入り口につくとそこにはもう数人ほど敵兵の姿があった。
体制を整えている様子だったため、凛は降伏はしていないと断定し、銃の引き金を引いた。
銃弾も残り数が少ないため、敵一人に対して一発しか使えない。
すると、十数人がまとめて出てきた。
どうやら剣の届かない遠距離から狙うことにしたようだが、こちらには気づいていない。
銃弾も残り数えるほどしかない。
黙々と狙い撃ちし続けると、下から叫び声が聞こえた。
「まだビビってんのかお前ら!」
剣を持った少女が叫んだ。その時、背後から短刀で斬りかかろうとした。
「危ない!」
そう叫ぶと、凜は反射的に銃を撃った。身長的に相手にしか当たらないような撃ち方を瞬間的に導き出し、奇跡としか言えないような軌道で敵の頭に命中した。
残りの敵は剣で斬りかかって、ようやく全員倒せたようだ。
「ありがとう、助けてくれて」
少女はそう言うと手を出した。
「私はカレン・ケルヴィネン。よろしくね」
そういうと、半ば無理矢理凜の手を握って握手した。
「あ…自分は吹谷凛です。お願い…します」
「そういえば、弾がもうないって言ってたんだっけ」
エイラがそう言うと、凜は頷いた。
「なら、もしかしたらあの人なら作れるかもしれない」
そう言うと、要塞に向かって歩き出した。