世界の希望と絶望が交差する時、あなたはどちらを選ぶのか_第9話
昨日も投稿できませんでしたすみません
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「そういえば凛さん。この間の戦い、死者0人でしたよ」
シルヴォがそう言うと、凛の方向を向いた。
「それは…何よりです」
凜はあまり表情を変えずにそう言った。
「ここからは身を潜めた方がよさそうね」
エイラがそういうと、4人は塹壕のような穴などを通り抜けた。
「少し木に登って偵察しますか」
カレンはそう言うと木を上っていった。
「おい、あそこにいたぞ!」
敵兵の叫び声が聞こえると、すぐさま伏せた。
カレンは木の上に登り、そこから石を投げた。が、当然そのようなものが効くはずもなく、あっけなくカレンは木の上から退散した。
「私に任せて」
エイラはそう言うとまた体から魔法のようなものを発した。風か何かなのであろう。弓が飛ぶはずもなかった。
「凛!お願い!」
そうエイラが言うと、凜は引き金を引いた。
エイラが魔法らしきものを発するやめると、凜も撃つのを止めた。
「目標反応なし」
そうシルヴォが言うと、なんとなく肩の力が抜けた気がした。
「ここは危ない。あと凜に見せたい場所があるの」
エイラはそう言うと森の深くまで進んでいった。
「崖…平原…」
そこには、目の前に崖があり、そこから下の平原を一望できた。恐らく50mほどはあるであろう崖に、凜は絶句していた。
「本当はこの崖までが、私達の土地だったんだどね…」
「僕達の親戚や他の人達もこの土地を守る為に死んでいったのに…」
エイラとシルヴォがそう言った。
「奪還しましょう。自分たちの手で。幸い奥は崖。敵も取れる策は限られてきます」
凜は他3人の方を向くと、そう言った。
「そうね。私達の親や死んでいった人の分まで、私達は戦わなければいけないもの」
エイラがそう言うと、みんなが頷いた
そうして、森を抜け、要塞へと戻った。
「奪還する作戦、立てましょうか」
凜がそう言うと、エイラはシルヴォを呼んだ。
「防御陣地を作ることが鍵と自分は考えているのですが、どうでしょうか」
凜はそう2人に提案した。何も無い所より、何か身を護るものがあった方が戦いやすい。
「じゃぁ、建てましょ。それ」
エイラはそう言うと、土木担当の部屋へと歩いて行った。
部屋に戻ると、そこにはカレンが居た。
「また来たの?」
凜がそういうと、カレンは頷いた。
「これ、こないだのお礼」
そういうと、カレンは本を手渡した。どうやら、カレンがここの生活や戦いについてまとめてくれたらしい。
「私達、多分境遇は似ていると思うの。だから、仲間として、友人として、改めてよろしく」
カレンはそう言うと部屋を出て行った。
「境遇が似ているって…」
凜がそう言った時には、もうカレンの姿はそこにはなかった。