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水晶体に映る記憶vol.20「変幻自在に在り、話していたい」(無料)

定期購読マガジン「水晶体に映る記憶」の20個目の記事です。
このマガジンでは、「今日しか感じ取れないかもしれない有限な感性で、日々の感情や記憶の形を残す」というテーマで文章を書いていきます。
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人との会話中だろうと、心地よさに負けてしまう時、どうしても笑みが溢れてしまうのだけど、それが人に生まれてよかったなぁと思う瞬間の一つです。

そして口に出してしまう。
「なんであなたと話していると、こんなに嬉しいんだろう、心地よいんだろう」「なんでそんな素敵な質問ができるの?」と。


惚れ込んでいるキャッチボール

話の広げ方だったり、相槌のテンポだったりが、柔らかくて。聞く、とか、話す、とかが摩擦なくできる感じがとても好きな友人と、先日久しぶりに会った。

昔から、友人の言葉のキャッチボールの仕方に、惚れ込んでいるという表現が1番フィットする。

例えば、Aの話題を投げると、A’(Aの返答もくれつつAに絡んだ何か)+B(Aから連想した何か)で返してくれて、え、Bってどういうこと?って会話になって。Bはね、Cという話にも絡まって……と拡散する話になる。一方で、A+A’+A”+、、、という深掘りする話もできる。

不思議なのは、友人がこういう会話の仕方をすると、私までもそんな会話ができるようになること。

相手の言葉をしっかり聞いて、その言葉の背景にも思いを馳せて、「これは、こういうこと?」といつもしない丁寧な質問ができてしまうから、私は友人との会話の間、魔法にかかっているような気持ちになる。

とにかく、とても好きな会話に、毎度なってしまうのだ。

聞くスタイルを決めすぎなくても、いいかもしれない

昔から聞き役が多かったと思うし、話すとしても口下手だから、話題を選ぶタイプだった。せめて聞くことには長けていたいと気にしていたつもりだったけど、やはり聞き上手にはほど遠いなと日々感じる。

昔、本で読んだのは「聞き上手な人は、初めに自分の近況をコンパクトに話して、あとは相手の質問に徹する」みたいなことで。
私もその方法を挑戦してみたけど、進んで自分のことを話すのがなかなかに難しかったし、逆に自分のことを話さな過ぎるのも、気を遣わせてしまうようでなんだか申し訳ないなと、結論つかずになってしまった。

ただ一つ言えるのは、こういう自分の凸凹(得意不得意なところ)が話す相手の凸凹と噛み合ったり、噛み合わなかったりして、会話の雰囲気が紡がれているのだと思うと、生まれる会話に同じものなんてないよな、という当たり前のことに気づく。

だとしたら、自分の聞くスタイルを無理に決めすぎなくてもいいのかもしれないなと思った。ここに自分がいて、目の前で言葉を交わしてくれる人がいれば、変幻自在に心地よい在り方であれる気がするから。

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