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【コラボインタビュー】AI技術を活用して、電柱の効率的な管理に挑戦!富士通株式会社様

TEKKONは、市民一人ひとりの力で、街のインフラを守っていこうという思いから生まれたゲームアプリです。身近なインフラ(電柱やマンホール)の写真を撮って、劣化状態を画像データで把握、今後自治体やインフラ企業がインフラの維持管理をする際に活用してもらうという仕組みです。

2023年の夏、市民が集めたデータ収集を、新しい形で活用いただく企業様との実証イベントを行いました。

今回のnoteでは、その実証イベントのパートナーである富士通株式会社の末岡さん、宗安さん、沼澤さんの皆様にインタビューをさせていただきました!

インタビューにご対応いただいた皆様

富士通株式会社 エネルギーソリューション事業部

宗安 智 様(左)
末岡 佑之輔 様(中央)
沼澤 奈々穂 様(右)

ーー今回はよろしくお願いします!そもそもですが、皆さんの事業はどういった内容か、お伺いしてもいいでしょうか?

私たちは、エネルギー事業者さまと新しい取り組みを企画・推進しているチームです。

昨年度から、中部電力パワーグリッドさまからの委託のもと、電柱や電柱に搭載されている各設備の劣化状態を画像からAIで自動検知することを目指して、研究をしています。

現状、一般送配電事業者の業務では、設備の劣化状態を一人ひとりが目視で1基ずつ確認していますが、膨大な労力を要しているのが実態です。

今後の労働人口減少などの環境変化を見据えると、AI等の新技術を活用した設備管理業務の効率化・省力化が一般送配電事業者としての重要課題となっています。だからこそ、収集したデータをAIにより解析することで、担当者による判断のバラつきを排除でき、経験に依存しない判断基準に基づく適正な設備更新が実現できると考えて、事業を行っています。

ーー今回、TEKKONにお声がけいただいた経緯について教えてください。

研究の中で、膨大な電柱画像の収集に課題を感じていました。「教師データ」と言われるものですが、膨大な電柱画像を学習させていくことでAIの精度を高めていくことができます。

私たちの力だけでは、このデータ収集にはかなりの時間と労力がかかります。どうやったら、短期間で大量の電柱画像を集めることができるかを検討している中で、 TEKKON(Whole Earth Foundation)を見つけました。

ーー皆さんとの事業にそういった親和性があったのですね。実施を決断した決め手は何でしたか?

Whole Earth Foundationの皆さんのお話を聞いていると、TEKKONが目指す「市民参加型のインフラ保全」という将来像に、強く共感しました!ただデータを収集できるだけではなく、市民のみなさんにゲームを楽しんでいただきながら、インフラ保全への意識を変えることにも繋がる点に魅力を感じました。

そして過去にも、3日で1万個のマンホール蓋を収集した実績や、北陸での電柱聖戦を成功させた実績などもお伺いして、我々の課題である短期間での電柱画像収集を達成できると感じました。また、社内でも「市民によるインフラ保全、面白いね!」という声が多く挙がったことから、実施を決めました。

ーー開催後から、当日を迎えるまでも、いろいろなご準備をいただきましたが、どのようなことを工夫されていましたか?

中部電力パワーグリッドさまにご協力いただきながら、対象とする電柱を選ぶ、などのイベントの詳細を調整していくとともに、特に広報活動に力を入れました。

イベント開催地域でのチラシ配布や、メディアへのアプローチも実施しました。非常に短い準備期間の中でも、Whole Earth Foundationの皆さんにもイベント開催の直前までご対応いただきました。改めて、ありがとうございました!

ーーこちらこそありがとうございました!実際にイベントを実施してみて、いかがでしたか?

今回は名古屋、伊勢志摩、軽井沢の3地域で5日間ずつイベントを開催し、合計12,500基の電柱の撮影を目標としていました。

名古屋のイベント初日は、なんと台風とぶつかり日中は一時中止となり、はじめはどうなることかと思いましたが…。5日間にして、7,000基の電柱を全てコンプリートしました!これは、電柱聖戦史上、過去最多の投稿数だとお聞きしています!

緑のアイコンは、撮影済みの電柱

その後も伊勢志摩、軽井沢と続き、結果として累計12,500基を全て撮影!
収集期間にいたっては名古屋5日間、伊勢志摩3日、軽井沢2日と、想定よりも早く目標を達成することができました。これは嬉しい驚きでした!

我々も実際にイベントに参加しユーザーさんとお会いする機会があったのですが、ユーザーの皆さんの熱量と知識量には驚かされました。自主的にイベントの広報活動をしてくださるといった、ユーザーさんが主体となってTEKKONを盛り上げている様子を見て、「これぞシビックテック」だと思いましたし、同時に、TEKKONというコンテンツの強さを実感しました。

ーー今後のTEKKONの活用の可能性はどう感じられていますか?

今回の実証イベントを通じて、改めて、短期間で大量データを集めることができるため、AIのデータ収集に非常に有用だと感じました。
また、市民の皆さまに「電柱」や「インフラ保全」へ感心をもっていただくためにも、ゲーミフィケーションを活用したTEKKONの取り組みには大きな可能性を感じています

 ーー私たちとしても、今後もいろいろご一緒できたらと思います。最後に、市民の皆様へのメッセージをお願いします!

人口減少に伴う労働力不足が社会問題となる一方で、電柱をはじめとした社会インフラの老朽化も深刻化しています。ふだんは存在を意識しない電柱一本一本も、毎日たくさんの電気をつかう我々の生活には必要不可欠なものです。

TEKKONを通して、楽しみながら、電柱の保全を自分ごととして考える機会を持っていただければいいなと思います。


イベント「TEKKONインフラ聖戦」は、インフラ維持・管理のコストを削減できるという点はもちろん、市民の郷土愛の醸成、地域外からの関係・交流人口の促進などさまざまなメリットもあります。

今後も引き続き、全国各地の自治体様、インフラ企業様との協業のもと、全国各地でTEKKONインフラ聖戦を開催していきたいと考えております。
ご興味のある自治体様、企業様はまずはお気軽にお問合せください!

■TEKKON事務局mail hello@tekkon.com

【TEKKON】
市民の力で楽しみながら社会のインフラを守る「社会貢献型ゲーム」。
スキマ時間にマンホールを撮影するだけで街のインフラ保全に。

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■全国各地で開催されるイベント「TEKKONインフラ聖戦

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