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鉄火巻 17本目

#教師のバトン  というハッシュタグをご存知でしょうか。
文部科学省が教員の魅力などを発信するためにはじめたプロジェクトです。
残念ながら魅力というよりは問題点ばかり噴出しているようですが。。。
ツイッターでの炎上がニュースになっていますが
実はこのnoteでも文部科学省がアカウントを開設しています。
あまり身分を明かす気はなかったのですが、
なんとなく見て見ぬふりはできず
ぼんやりと書かせていただくとぼくも教員のはしくれです

「なんだ旅行してる暇があるじゃないか」
「悠々自適にキャンプもできてるじゃないか」
「案外経済的にも時間的にも余裕があるじゃないか」

と読者の皆様には思われてしまうかもしれません
正直、今回の一件で改めてぼくは
比較的恵まれてる環境だなぁと思いました
ただ、それは比較対象が同業だからだと思います

まず、残業代は絶対に1円も出ません
休日出勤手当も絶対に1円も出ません
昨年も20連勤くらいは何度かありましたが
代休も手当もありません
ぼくは残業はしない主義ですし、休日出勤も極力回避します
私立なので休日や定時退勤が確保されないなら
今すぐ退職して他をあたりますと伝えてあって
理事会や管理職も納得してくれています
とはいえ、残業や休日出勤がないかと言えばあります
学校のためにはしなくとも、生徒のためにはせざるをえません
生徒が進路相談をしに来て
「ああ、もう5時だからまた明日ね」とは言えませんし
保護者が日曜日にしか面談にこれないというなら
「じゃぁ、おたくは三者面談なしで」とも言えません
もちろんすべてタダ働きです
それから他の先生が困っているのに見捨てて帰るわけにもいきません
自分でもなんで余計な仕事を背負い込んでいるのかわかりませんが
同僚が2時間残業しないとできない仕事で
自分が30分残業すれば片付くならそのほうが効率がいいかなとか・・・

まぁ、そういうことは織り込み済みで決めましたし
それでも好きだからやりたくてやっています
あと給料はとんでもなく安いですが、実家の稼業があるので
あまりお金に執着せずにボランティアくらいのつもりです
ちなみに以前、同僚が時給計算したら350円だったそうです笑

でもぼく自身はあまり仕事に不満はありません
ただ、好きな仕事だからこそなんでこんなに虐げられるんだろう?
なんでこんなに社会の底辺のような扱いを受けるんだろう?とは思います
毎年、一人くらいは奇特な子が

「ぼくも先生のような先生になりたいです」

と言ってくれます。昔の自分を見ているようで本当に嬉しいですが

「この仕事はやめておきなさい。悪いことは言わないから」

と言わざるを得ないのは本当に情けないと思います・・・

教育は通常の業種と違ってお金を生みません
学費を値上げすると補助金が削減されるので増収ということは不可能です
また優秀な人材を非常勤から常勤に昇格させようとすると
お役所から邪魔が入ります。
専任率が高いと人件費がかさむからです。
会社勤めの方からすれば「お荷物」と思われるかもしれません
でも、人材育成にお金をかけないで未来はありません
会社でも新人には給料は払わない、新人教育もしない、
なんていうことはないですよね?
きっと新人は最初はお荷物でしょうけど
手間と時間をかけて育成してお給料も払っているはずです
難しいことではないのですが、
なかなかご理解いただけないことではあります

お役所の人に言いたいのは
あなたたちは仕事を増やすことはしても
減らすことはしないということです
昨日まで私は指導要録という無駄な書類を
36人×A4五枚すべて手書きしました
PCに入っているデータを手書きさせていただきました
数日がかりでしたが、
それがなければどれだけ授業のクオリティがあがったでしょうか。

一般の方には「いいですね春休みがあって」と言われます
春休みは毎日出勤して新年度の準備をさせていただいております
結局、昨年度は有休はおろか振り替え休日も10日以上残して終わりました

最近は教員の犯罪が多数報道されますが、
それだけ人材の質が低下していることだと思います。
給料が安くて長時間労働で責任が重くて休みが取れない仕事で
なおかつ大卒で教員免許を持っていなくてはいけないという条件で
いったいどういう優秀な人材が集まってくるのでしょうか。

長々と柄にもないことを書いてしまいました。
読んでいただいた方、ありがとうございました。
次回からは楽しいキャンプの話に戻します。。。

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