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令和4年度大阪府立富田林中学校 適性検査 解説④

以前の記事に引き続き、2022年1月22日に行われました、大阪府立富田林中学校 令和4年度入学者選抜における、適性検査問題の解説です。

問題と解答のみ大阪府のWebサイトでご覧いただけます。

今回は適性検査Ⅲ(算数的問題)から、大問4の解説を行います。
富田林中の適性検査後半として例年通り長いので、小問ごとに区切って問題・解説を交互に示していきます。

(1)問題

なつさんは、1から連続する(1ずつ大きくなる)整数が一つずつ書かれたカードを使って作業をします。次の(1)・(2)に答えなさい。
(1)なつさんは、次の作業Ⅰについて考えました。あとの①・②の問いに答えなさい。

作業Ⅰ:書かれた数が小さい順になるように左から横1列にカードをならべ、左端のカードから順に右端のカードまで、1枚取り除くことと1枚残すことを交互に行う。

① 1から21までの整数が書かれた21枚のカードを使って作業Ⅰをし、残るカードを使ってもう一度作業Ⅰをするとき、2回目の作業Ⅰで取り除かれるカードの枚数を求めなさい。

② なつさんは、1から連続する整数が書かれた8枚以上のカードを使って作業Ⅰをくり返すと、どのような数が書かれたカードが残るかについて、気づいたことを次のようにまとめました。

なつさんのまとめ作業Ⅰをすると2の倍数が書かれたカードが残る。残るカードを使って作業Ⅰをすると4の倍数が書かれたカードが残る。4は、2を2回かけた数である。2回目の作業Ⅰで残るカードを使って作業Ⅰをすると8の倍数が書かれたカードが残る。8は、2を3回かけた数である。

なつさんのまとめを参考に(ⅰ)・(ⅱ)の問いに答えなさい。

(ⅰ) 1から2022までの整数が書かれた2022枚のカードを使って、残るカードが1枚だけになるまで作業Ⅰをくり返すとき、最後の作業Ⅰで残るカードに書かれた数を求めなさい。

(ⅱ) 1から「ある整数」までの整数が書かれたカードを使って、残るカードが1枚だけになるまで作業Ⅰをくり返すと、最後の作業Ⅰで残るカードに書かれた数は32になります。「ある整数」として当てはまる整数は何個ありますか。求めなさい。

(1)①解説

なつさんのまとめにもあるように、作業Ⅰをくり返すたびに残るカードは2の倍数、4の倍数、8の倍数、、、となっていきます。

1回目の作業Ⅰでは2の倍数のカードが残ります。
その後の2回目の作業Ⅰでは、4の倍数のカードが残るので、取り除かれるカードは「2の倍数であるが4の倍数でない整数」となります。

21までで2の倍数:21÷2=10あまり1 なので10個
21までで4の倍数:21÷4=5あまり1 なので5個
よって、2回目の作業Ⅰで取り除かれるカードは、10-5=5 5枚です。

(1)②(ⅰ)解説

作業Ⅰをくり返すたびに、残るカードに書かれた整数がどのような数なのか、以下のように追っていきます。
1回目:2の倍数
2回目:4の倍数
3回目:8の倍数
4回目:16の倍数
5回目:32の倍数
6回目:64の倍数
7回目:128の倍数
8回目:256の倍数
9回目:512の倍数
10回目:1024の倍数
11回目:2048の倍数
カードは2022までなので、11回目で残るカードは無くなってしまいます。つまり、10回目で残ったカードが最後の1枚です。
したがって、残ったカードは1024です。

(1)②(ⅱ)解説

最後に残ったカードが32になるということは、当たり前ですが32のカードまでは確実に使われています。

さらに、64のカードが最後に残らなかったということは、使われたカードは63までに収まっています。

つまり、「ある整数」として考えられるのは32から63までなので、
63−32+1=32 となり、答えは32個です。

(2)問題

なつさんは、次の作業Ⅱについて考えました。あとの①・②の問いに答えなさい。

作業Ⅱ 書かれた数が小さい順になるように左から横1列にカードをならべ、左端のカードから順に右端のカードまで、1枚取り除くことと2枚残すことを交互に行う。

① 1から300までの整数が書かれた300枚のカードを使って1回だけ作業Ⅱをするとき、どのような数が書かれたカードが取り除かれますか。取り除かれるカードに書かれた数に共通する性質を、「あまり」という言葉を使って書きなさい。

② 1から300までの整数が書かれた300枚のカードを使って作業Ⅱをし、残るカードを使ってもう一度作業Ⅱをするとき、2回目の作業Ⅱで残るカードに書かれた数のうち、小さい方から100番目の数を求めなさい。

(2)①解説

作業Ⅱを図にすると、以下のようになります。

取り除かれるカードは、1・4・7・10・13・・・と続きます。
1から始まり、3ずつ大きくなる数列となるため、これらの数に共通する性質は、「3の倍数+1」と表すことができます。
あとは、「あまり」という言葉を使う指示に従えば、「3で割るとあまりが1になる数」と表現できます。

(2)②解説

作業Ⅱを2回目まで行うとどうなるか、図にまとめます。

2回目で取り除かれるカードは2・6・11・15・・・となり、残るカードは3・5・8・9・12・14・17・18・・・となっています。
ここで、1回目と2回目の図を重ねてみます。

すると、1回目の作業Ⅱで取り除かれるカード、2回目の作業Ⅱで取り除かれるカード、残ったカードの配置に周期性が見えてきます。

上の図のように、9枚ごとに同じ周期になっていて、1周期には4枚ずつカードが残っています。
よって、残ったカードのうち小さい方から100番目のカードは、
100÷4=25 となり、ちょうど25周期したところだと求められます。

9枚で1周期なので、25周期したところのカードは
9×25=225 と求められ、答えは225だとわかります。


今回で、大阪府立富田林中学校 令和4年度適性検査問題の解説は以上です。


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