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大阪府立富田林中学校2020算数(場合の数・組み合わせ)

大阪府立富田林中学校の2020年度適性検査Ⅲ(算数的問題)より、大問2の(2)、条件に当てはまる数字の配置の組み合わせに関する問題です。

図1のア~オの枠に、1~9の異なる数字を1つずつ書き込みます。ただし、ア~オに入る整数は以下のルールにしたがうものとします。
ルール1:アとイの和と、ウとエの和が、それぞれオと等しい。
ルール2:アに入る整数が、ア~オの中で最も小さい。

①図2のように、オに6が入る組み合わせを1つ答えなさい。
②図3のように、ウに4が入る組み合わせは何通りあるか答えなさい。
③イに3以下の整数が入らない理由を説明しなさい。

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●解説 ①

オに6が入るということは、ア+イ=6、ウ+エ=6であるということです。
したがって、1+5=6、2+4=6という組み合わせが条件を満たす配置を考えます。

ここで、アに入る整数が最も小さいというルール2にしたがえば、アに1が入り、自動的にイに5が入ります。
あとは、2と4の配置が2通りありますので、以下の2通りのうちどちらかを答えれば正解です。

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●解説 ②

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まず、エに入る数字を考えれば、自動的にオに入る数字が決まります。
そうすれば、あとはア+イ=オ を満たすように、アとイに入る数字を考えれば良くなります。

・エに1を入れる場合
アに入る数字が最も小さいというルール2を満たせなくなるので不適切。

・エに2を入れる場合
オが6となり、①の答えとして考えられたうちの片方1通りになります。

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・エに3を入れる場合
オが7となり、アとイの組み合わせは1と6、2と5の2通りになります。

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・エに4を入れる場合
異なる整数を入れるという条件があるので、ウに入っている4をエにも入れることはできません。

・エに5を入れる場合
オが9となり、アとイの組み合わせは1と8、2と7、3と6の3通りになります。

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・エに6を入れる場合
オに入る数字が10になってしまうので不適切。エに7以上も同様。

よって、答えは全部で6通りとなります。

●解説 ③

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イに3以下の数字が入らない理由を文章で説明する問題です。

まず、この図は次のような条件を満たす必要があることが分かっています。
すべて異なる整数ア・イ・ウ・エで、ア+イ=オ、ウ+エ=オ が成り立つ。

そしてア~オは1~9の整数なので、最小の場合を考えると、
ア・イ・ウ・エは、それぞれ1・2・3・4のどれか
となります。
このうち、アが最小でありつつ、ア+イとウ+エが等しくなるのは、
ア=1、イ=4 であり、ウとエは2と3のどちらかという場合しかありえません。
よって、イには3以下の整数は入らないことになります。


ちなみに、以下のように場合分けをして考える方法もあります。

・イに1を入れる場合
アに入る数字が最も小さいというルール2を満たせなくなるので不適切。

・イに2を入れる場合
ルール2により、自動的にアは1が入る。
オは1+2=3 となるが、ウ+エ=3 を満たす整数の組み合わせが無いため不適切。

・イに3を入れる場合
アに1を入れると、オは1+3=4 となるが、ウ+エ=4 を満たす整数の組み合わせが無いため不適切。
またアに2を入れると、オは2+3=5 となるが、ウ+エ=5 を満たすためにはアより小さい1をウかエに入れることになるため不適切。

・イに4を入れる場合
アに1を入れると、オは1+4=5 となり、ウ+エ=5 を満たす整数の組み合わせとして2+3=5、もしくは3+2=5 があり、成り立つ。

よって、イが4以上でないと成り立たないので、イには3以下の整数は入らないことが証明できました。


今回は以上です。
大阪府立富田林中学校は、近年、場合の数の出題がやや目立ちます。

また、こちらの問題も場合分けをして考えることが有効な問題ですので、
参考にしてください。

それではまた次回。



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