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令和3年度大阪府立富田林中学校 適性検査 解説③

前々回、前回に引き続き、大阪府立富田林中学校令和3年度入学者選抜における、適性検査問題の解説です。
今回は適性検査Ⅲ(算数的問題)から、大問3の解説です。

問題と解答は大阪府のWebサイトでご覧いただけます。

問題

三人のうち、二人がそれぞれ取り出した碁石の数を、残りの一人がふたりの話を聞いて言い当てるゲームを、あつこさん、たろうさん、はなさんが行いました。

(1)1ゲーム目
あつこさん「私が取り出した碁石から、たろうさんに4個渡すと、二人の碁石の数は同じになるよ。」
たろうさん「二人の碁石の数が同じになったところから、今度は私があつこさんに碁石を15個渡すと、あつこさんの碁石と私の碁石の数の比は6:1だよ。」
はなさん「あつこさんの話から、たろうさんが取り出した碁石の数は、あつこさんが取り出した碁石の数より( a )個(ア 多い イ  少ない)ことがわかるよ。たろうさんの話から、二人がそれぞれ取り出した碁石の数もわかったよ。」

①はなさんの発言の( a )にあてはまる数を書きなさい。また、( )内のアかイから当てはまるものを選びなさい。
②あつこさんとたろうさんの二人が取り出した碁石の数は合わせて何個か求めなさい。


(2)2ゲーム目
はなさん「二人が取り出した碁石は合わせて84個だよ。」
たろうさん「二人がそれぞれ取り出した碁石の数を比べると、私が取り出した碁石の数は、はなさんが取り出した碁石の数の2倍だよ。」
あつこさん「わかったよ。二人がそれぞれ取り出した碁石の数は、たろうさんがはなさんに碁石を( c )個渡すと、はなさんの碁石の数がたろうさんの( d )倍になるような数だね。」

①( d )が1.4のとき、( c )に当てはまる数を求めなさい。
②( d )に当てはまる数が1以上10未満の整数のとき、( c )・( d )に当てはまる数の組み合わせは何通りあるか求めなさい。

(1)①解説

まず、はなさんの発言の( a )の前には、「あつこさんの話から、たろうさんが取り出した碁石の数は~」とあるので、
「あつこさんが取り出した碁石から、たろうさんに4個渡すと、二人の碁石の数は同じになる」という内容から判断できるはずです。

線分図で表すと、以下のようになります。

富田林R3⑫

等式で表すと
あつこ−4=たろう+4 なので、
あつこ−8=たろう となり、
たろうさんの碁石の数は、あつこさんの碁石の数より8個少ないとわかります。

(1)②解説

あつこさんとたろうさんの取り出した碁石の合計を求めるには、たろうさんの発言である「二人の碁石の数が同じになったところから、私(たろうさん)があつこさんに碁石を15個渡すと、あつこさんの碁石と私(たろうさん)の碁石の数の比は6:1だよ。」を使います。

線分図では以下のようになります。

富田林R3⑬

あつこさんの減った15個と、たろうさんの増えた15個の合計30個が
⑥−①=⑤にあたるので、

30÷⑤=6 が①になります。

よって、二人の取り出した碁石の合計は、
6×(①+⑥)=42 個とわかります。

(2)①解説

はなさんとたろうさんが取り出した碁石は合わせて84個で、
たろうさんの碁石は、はなさんの2倍です。

富田林R3⑭

84÷(②+①)=28個 がはなさんで、
28×2=56個 がたろうさんです。

こうだったものが、たろうさんがはなさんにいくつか渡すと、
以下のようになります。

富田林R3⑮

84÷(1+1.4)=35個 がたろうさんなので、
たろうさんがはなさんに渡したのは、
56−35=21個 です。

(2)②解説

あつこさんの「たろうさんがはなさんに碁石を( c )個渡すと、はなさんの碁石の数がたろうさんの( d )倍になる。」という発言の、
( d )が1以上10未満の整数のとき、( c )・( d )に当てはまる数の組み合わせが何通りあるか、という問題です。

( d )は1以上10未満なので、1~9について考えて、( c )が整数になる場合を数えることになります。

まず、はなさんの碁石がたろうさんの1倍の場合は、
84÷(①+①)=42個 が、やり取りの後のたろうさんの碁石です。
そしてたろうさんはもともと56個持っていたので、
56−42=14個 が( c )だとわかり、整数なのでまず1組目が見つかりました。

しかし、ここで気づきたいのは、「整数−整数=整数」なので、
84÷(①+d)の答えが整数なら、56との差、つまり( c )も整数になるということです。

84の約数は1,2,3,4,6,7,12,14,16,28,42,84なので、
(①+d)が2~10に当てはまるのは、2,3,4,6,7の5通りと、これ以上の計算はしなくても答えが出ます。

ちなみに1つずつ計算して( c )まで求めると以下の通りです。
・d=1の場合
84÷2=42  56−42=14 ←( c )○
・d=2の場合
84÷3=28  56−28=28 ←( c )○
・d=3の場合
84÷4=21  56−21=35 ←( c )○
・d=4の場合
84÷5=16.8  56−16.8=39.2 ←( c )×
・d=5の場合
84÷6=14  56−14=42 ←( c )○
・d=6の場合
84÷7=12  56−12=44 ←( c )○
・d=7の場合
84÷8=10.5  56−10.5=45.5 ←( c )×
・d=8の場合
84÷9=9.333...  56−9.333...=46.666... ←( c )×
・d=9の場合
84÷10=8.4  56−8.4=47.6 ←( c )×


大問3の解説は以上です。

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