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令和3年度大阪府立富田林中学校 適性検査 解説②

前回に引き続き、大阪府立富田林中学校令和3年度入学者選抜における、適性検査問題の解説です。
今回は適性検査Ⅲ(算数的問題)から、大問2の解説です。

問題と解答は大阪府のWebサイトでご覧いただけます。

問題

1001から2021までの整数が書かれた1021枚のカードを以下の手順によってア~カの箱に分けます。これについて、(1)~(4)の問いに答えなさい。

富田林R3⑧

(1)解説

アの箱に分けられたカードに書かれているうち、最小の整数を求めなさい。

アの箱に分けられるカードとは、3の倍数であり、2の倍数であり、4の倍数であるので、つまり12の倍数です。

1001÷12=83あまり5 なので、
あまり5ということは、12−5=7 を足せば12の倍数になります。
よって、1001+7=1008 がアの箱に分けられる最小の整数です。

(2)解説

次の文は、イの箱に分けられたカードの枚数の求め方を説明したものです。文の(  )に入る内容を、以下の言葉のうちいくつかを使って答えなさい。
【求め方】1001から2021までの整数のうち、(  )。

「2の倍数の個数」・「3の倍数の個数」・「4の倍数の個数」・「6の倍数の個数」・「12の倍数の個数」

イの箱に分けられるカードとは、3の倍数であり、2の倍数であるが、4の倍数ではないカードですので、つまり、6の倍数であるが、4の倍数ではないカードです。
また、アの箱に分けられたのは12の倍数であることは(1)でわかっています。そして、12の倍数とは、6の倍数であり、4の倍数でもある整数のことです。

したがって、6の倍数のうち、4の倍数である整数が12の倍数としてアの箱に分けられ、それ以外がイの箱に分けられています。
これにより、イの箱に分けられたカードの枚数は、1001から2021までの整数のうち、「6の倍数の個数から、12の倍数の個数を引く」という方法で求められます。

(3)解説

カの箱に分けられたカードに書かれている整数のうち、5番目に小さい整数を求めなさい。

カの箱に分けられたカードとは、3の倍数ではなく、2の倍数でもないカードです。つまり、3の倍数ではない奇数と言いかえられます。

3の倍数には以下の判定法があるので、それを使うと楽に求められます。
3の倍数:それぞれの位の数の和が3の倍数

これを使いながら、奇数を小さい方から並べます。
1001:1+0+0+1=2 ○1番目に小さい
1003:1+0+0+3=4 ○2番目に小さい
1005:1+0+0+5=6 ×
1007:1+0+0+7=8 ○3番目に小さい
1009:1+0+0+9=10  ○4番目に小さい
1011:1+0+1+1=3  ×
1013:1+0+1+3=5  ○5番目に小さい
よって、カの箱で5番目に小さいのは1013です。

(4)解説

オの箱に分けられたカードの枚数を求めなさい。

オの箱に分けられたカードとは、3の倍数ではなく、2の倍数であるが、4の倍数ではないカードです。
複雑なので、ベン図で表すと、以下の部分だとわかります。

富田林R3⑪

そして、以下の赤い部分が3の倍数であり、2の倍数でもある、つまり6の倍数です。
また、青い部分が3の倍数であり、4の倍数でもある、つまり12の倍数です。

富田林R3⑩

これらを使って、オの箱に分けられたカードの枚数を求めるためには、以下の式を計算することになります。
2の倍数の個数−6の倍数の個数−4の倍数の個数+12の倍数の個数
2の倍数の個数から、6の倍数の個数と4の倍数の個数を引くと、12の倍数の個数を2回引いてしまうので、1回足しておくということです。

●1001~2021のうちの2の倍数の個数
・1~2021のうちの2の倍数の個数は
2021÷2=1010あまり1 よって1010個
・1~1001のうちの2の倍数の個数は
1001÷2=500あまり1 よって500個
・したがって1001~2021のうちの2の倍数の個数は
1010−500=510個

●1001~2021のうちの6の倍数の個数
・1~2021のうちの6の倍数の個数は
2021÷6=336あまり5 よって336個
・1~1001のうちの6の倍数の個数は
1001÷6=166あまり5 よって166個
・したがって1001~2021のうちの6の倍数の個数は
336−166=170個

●1001~2021のうちの4の倍数の個数
・1~2021のうちの4の倍数の個数は
2021÷4=505あまり1 よって505個
・1~1001のうちの4の倍数の個数は
1001÷4=250あまり1 よって250個
・したがって1001~2021のうちの4の倍数の個数は
505−250=255個

●1001~2021のうちの12の倍数の個数
・1~2021のうちの12の倍数の個数は
2021÷12=168あまり5 よって168個
・1~1001のうちの12の倍数の個数は
1001÷12=83あまり5 よって83個
・したがって1001~2021のうちの12の倍数の個数は
168−83=85個

以上より、オの箱に分けられたカードの枚数は、
510−170−255+85=170 枚 と計算できます。

検査Ⅲ大問2の解説は以上です。

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