見出し画像

中学歴史教科書 自由社VS学び舎  3.大東亜戦争(1)

 自由社の見出しは、大東亜戦争(太平洋戦争)、育鵬社は、太平洋戦争(大東亜戦争)です。多くの教科書では、大東亜戦争という項目はなく太平洋戦争になっています。しかし、学び舎は、アジア太平洋戦争と書いています。
 学び舎の教科書をお使いの生徒諸君は、お分かりになるはずですが、戦争の悲惨さがたくさん書かれています。これはこれで悪いことではありません。戦争は、いつも戦場になった国や地域の人々に悲惨な被害をもたらします。しかし、歴史を学ぶとは、戦争の悲惨さだけではなく、なぜ大東亜戦争が起きたのか、戦争を避けることはできなかったのか。どのように戦争は行われたのか?戦争はどのようにして終わったのか?その結果敗れた日本はどうなったのか?少なくてもこれくらいは中学生でも教科書で学ばなければなりません。
 学び舎では、238Pに第二次世界大戦が広がるの見出しがあります。ここに、「アメリカは、日本にたいする石油の輸出を禁止し、「日本軍は中国とインドシナから撤兵すべきだ」と外交交渉で要求しました。日本はこれを拒否して米英に宣戦布告したのです」と記述しています。つまり学び舎では、戦争の原因は、日本ということになっています。
同じページの小見出しに「マレー半島ハワイ攻撃」があります。

画像1

 244Pに餓死の島―ガナルカナル島、玉砕の島―サイパン島そのあと、爆弾を抱えて体当たりー特攻隊と続きます。

画像3

学び舎特攻

 そしてそのあとは日本国内の都市と一般人への攻撃で悲惨な状態を記述しています。また、戦争の終結も天皇の裁断によってポツダム宣言の受諾を決定しましたと記述しています。

画像4


 P260「もう戦争はしない」の見出しで、日本の憲法が変わったことを記述しています。これを読むと最初は日本軍が勝っていたのですが、途中から負け戦になり、最後は日本の都市が敵のアメリカにに爆撃され、大勢の一般人が殺されたことがわかり、天皇が決定をしてようやく戦争が終わった。そして新しく日本国憲法ができた。戦争は怖いなーと学ぶことができます。
 しかし、学び舎の教科書には、戦争犯罪について記述がありません。戦争にも国際法というルールがあるのです。日本への広島と長崎への原爆投下は明らかに国際法違反の戦争犯罪でした。しかし、戦争に勝った側の戦争犯罪は裁かれなかったのです。自由社は、これを記述しています。
 それではこんどは自由社の教科書を見てみましょう。
次回に続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?