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何かをしながら他のことをすることについて

マルチタスクには、複数のことを切り替えながらするもの(例: 料理を複数品同時に作る)や、片方の意識を省略するもの(例: スマホを見ながらご飯を食べる)ものがあります。この記事では、後者のマルチタスクはしない方がいいのではないか、つまり何かをしながら他のことをすることの課題について書いてみます。

私は一人暮らしをしているときに「スマホやPCを見ながらご飯を食べようとしたら、疲れが溜まっている証拠だ」と考えていました。普段は一つのことに集中するべきだと考えていても、疲れたときには崩れてしまっていたからです。今は実家にいて、何かをしながらご飯を食べるというのは全くしないのですが、パソコンをしながら歯磨きすることを頻繁にやってしまっています。

人間は同時に1つのことにしか注意を向けることができません。複数のことを全く同時にやっていると思っていても、実際は素早く切り替えているだけです。つまり、2つのことを同時にしている場合は、どちらかが主で、もう一方は従になっています。スマホをしながらご飯を食べる場合は、おそらくスマホが主で、ご飯が従になっています。スマホの魅力にとらわれて、ご飯を食べるときも離せなくなっているからです。

日常の中でなぜマルチタスクをしない方がよいと考えているかというと、今やっていることをないがしろにしている証拠だからです。普段はスマホを見ながらご飯を食べているとしても、どこか特別な場所で食事をする場合は、スマホを見ることはないのではないでしょうか。それはつまり、普段食べている食事と、特別な食事を区別しているということです。

非日常だから自然とそうなることは理解できます。しかし、今取り組んでいることを、その内容に応じて価値を決めて、ないがしろにしていることに変わりはありません。これは食事に限らず色々なことに当てはまります。意識を省略しながら生きていれば、自然と生まれる感情しか体験することはできません。つまり、人生を喜びで満たすためには、常に状況を上昇させるか変化させ続けなければならなくなってしまいます。

補足として、マルチタスクをすることが合理的な場合もあります。例えば、一日が24時間では足りない場合です。カービィやスマブラの開発で有名なゲームクリエイターの桜井政博さんは、運動時間の確保とインプットのために、エアロバイクを漕ぎながら映像作品を見つつ、ゲームをプレイしているそうです。

他のことを同時にしようとした時は、今をないがしろにしようとしていることに気づくチャンスです。私も、歯磨きしながらパソコンを触ろうとしたときは、「歯磨きすることの意識を省略していたんだな」と気づいてやめたいと思います。歯磨きすることも、ご飯を食べることも、本を読むことも、何もしないことも、今やっていることは等しく重要です。今やっていることを楽しむことは、人生のすべてのことを楽しむ第一歩だと思います。

参考

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