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雨が導く花を求めて

6月。

雨が降り続く街には何かが足りなかった


気が遠くなるほど電車に揺られ、片手にカメラを握りしめ鎌倉を訪れた。
待ち合わせは時計台の前


梅雨の湿気に髪の毛が広がっていた彼女は少し恥ずかしそうに
髪を耳に欠けながら足早に改札をくぐった

久しぶりに会う彼女は少し大人びていて背筋が緊張した。
お互いの恥ずかしさを打ち消すように江ノ電に駆け込み
目的の場所を目指した。


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雨がしとしとと梅雨らしく降りしきる中、
雫を纏った紫陽花は悲しいほどに美しかった。


自然が作りだす華やかさには温かみがある。
なぜだろう、
二人の間にそっと寄り添ってくれる
言葉がなくても心が落ち着いていられる。


ふと私は紫陽花の花言葉が気になりスマホを手に取った。
どうやら花の色によって意味合いが変わってくるようだ。

青は「冷淡」「辛抱強い愛情」
白は「寛容」
ピンクは「元気な女性」「強い愛情」

また、様々な色があること、咲いた頃からずっと同じ色ではないということから「移り気」「浮気」などの意味もあるみたいだ。


その時々によって表情を変える不思議な花
そんな幻想的なものが溢れているのである


もっとたくさんの表情を見たいと思った、梅雨も悪くない。


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