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本紹介(小説以外、ごった煮)


みんなが手話で話した島

(ノーラ・エレン・グロース 著、ハヤカワ文庫NF)
一般書。"障害"が社会側の変化によって障害でなくなっていた島の話。

わたし、恋人が2人います。ポリアモリー(複数愛)という生き方


(きのコ 著、WAVE出版)
一般書。ポリアモリー超入門。
2冊とも、自分や社会の当たり前は別に当たり前じゃないんだなあ、という解体/相対化の体験ができる。

自閉症の社会学』、『〈自閉症学〉のすすめ

(竹中均 著、社会思想ゼミナール)
(野尻英一・高瀬堅吉・松本卓也 編、ミネルヴァ書房)
前者は一般書寄り、後者は専門書寄り。自閉症の話でもあるし、自閉症者が溶け込めないその社会って何?の話でもある。
後者に収録されている鼎談は、國分功一郎×熊谷晋一郎×松本卓也という豪華すぎてよくわからないメンバー。


ネットで読める論文なら、博士論文ではあるが
「当事者研究に関する理論構築と自閉症スペクトラム障害研究への適用」
「自閉症の言語文化学-支援職による表象とASD者のオートエスノグラフィー」
この2本がずば抜けて面白かった。お二人とも今は研究者。

正義論 ベーシックスからフロンティアまで

(宇佐美誠・児玉聡・井上彰・松元雅和 著、法律文化社)
専門書(入門)。主にロールズ以後の正義論。前半は「正義・分配・責任・平等・自由」などの概論、後半は「貧困・教育・健康・地球環境」などより具体的。

ワクチンの噂 どう広まり、なぜいつまでも消えないのか

(ハイジ・J・ラーソン 著、みすず書房)

虐殺のスイッチ 一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか

(森達也 著、ちくま文庫)

ともに一般書。総体としての社会が、個人の集まり以上の何かを持って動く感じを味わえる。

ヒトはなぜ自殺するのか

(ジェシー・ベリング 著、化学同人)
一般書。特に、第4章では自殺論における超重要論文、ロイ・バウマイスター『自己逃避としての自殺』の、自殺に至る6ステップ理論が解説されている。第5章では、その理論をもとに、ある自殺した少女の手記を読み解いていく。

自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

(松本俊彦 著、講談社)
一般書。自傷している当人にも、その周囲の人にも向けて書かれている。自傷のよくわからない感をちょっと解消するのに良かった。

ゆかいな認知症

(奥野修司 著、講談社現代新書)
一般書(新書)。当事者目線での認知症が語られる。なんか通底が明るい。認知症に対する障害の社会モデルという新しい視点を持てる。

オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より

(岡田斗司夫 著、幻冬舎新書)
一般書(新書)。よくある新聞の悩み相談コラムの書籍化だが、筆者、言語化能力の化け物か?相談者の悩みが言語化されているだけでなく、筆者が悩み相談への回答を書くときに考えていることも超言語化されている。

死刑について

(平野啓一郎 著、岩波書店)
一般書。論理で殴るのではなく、筆者が存置派から廃止派になる過程での心情の推移が丁寧に書かれている。死刑存置派の「被害者の気持ちを考えよ」に対する、被害者の憎しみ以外の心情を無視/排除していないか?という問いが良。

精神症状の診かた・聴きかた はじめてまなぶ精神病理学

(日本精神病理学会 書籍刊行委員会 編、金剛出版)
専門書(入門)。妄想/不安・パニック/依存症・自傷など、症状別に解説。ケース(症例)も豊富。

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