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日本国憲法第七十ニ条

内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

珍しく休日にちゃんと目が覚めた。隣を見ると彼はまだ寝ていて、時間は大丈夫なのかなと心配になったが、その約30秒後にアラームが鳴り目を覚ました。安心して私はまた目を瞑った。

再び目を覚ましたとき部屋がやけに静かで、もう出かけてしまったのかとのそのそとベッドから這い出すと、ハロゲンヒーターの前でタバコを吸いながらコーヒーを飲んでいた。起きたの?と言われ、起きてない、と謎の返事をした。アイコスなくなっちゃった、と小さく呟くと、換気扇の下に移動し今度は紙タバコを吸い始めた。何故こんなに続け様にタバコを吸うんだろうと思ったが、朝日に照らされて少し影になった彼のシルエットは何だか絵になっていたし、やっぱり電子タバコより紙タバコを吸っている姿の方が好きだなと再確認した。

そろそろ行かなきゃ、と立ち上がると今日は寝ていないのに行ってきます、とキスをしてくれた。起きてない、と返事をしたからかなとぼんやり考えた。彼が出かけた後、洗面所で鏡を見るとボサボサ頭に家でしかしない丸メガネ、ヨレヨレのTシャツを着た非常に不細工な女がそこにいた。こんなんで良いんだろうかとは、もう思わなくなった。

すっかり自分の家より彼の家の方が心地良くなってしまった。部屋が片付いていないことを心配していたのは最初の1.2回程度で、お互い“いつもそんなに綺麗じゃない”と気づき始めてからどうでも良くなった。共に生活をしていくことの懸念はほとんどない。
色々考えて、一緒に住む方が効率的だと分かっているが、今ひとつ動きがないのはそのタイミングを彼に一任しているからだ。それを言ったことはないし、私も特に急いでいる訳ではないから別に良いのだけど、自分から切り出すのは違うと何となく思っている。
一緒に住む、イコールその先のこと、というのは自然流れではある。私も彼もそれなりの年齢ではあるから、多分ちゃんと段階と手順を踏みたいのだろう。親への報告なんて別にしなくても良いと私は思っているけれど、もしかしたら一緒に住む前のハードルが高いのかも知れない。

このところ、時間が過ぎるのが早すぎて目が回りそうになる。あれ、今週もうこの授業?と思うことが多々ある。仕事量も増えて謎にバタバタしている。
変わらない毎日でも、確実に歳を取っていくし時は流れている。29歳まであと2ヶ月を切ってしまった。終わりにも近づいているし、多分始まりにも、と思っている。

今年は忙しい年になるから、食欲を我慢しないことに決めている。好きなものを好きな量だけ、好きな時間に食べる。昨夜も彼と最後の一缶を分け合いながらミックスナッツをつまんでいたら気付くと12時をまわっていた。背徳感など微塵もない。不健康な幸せを共有することほど、楽しいものはない。
ずっと仕事の話をしていたことに関しては、まあご愛嬌。

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