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たわいもない | ちろ

日々余計なことを考えすぎている。

朝起きて仕事に出るまで。今日も結構暑いな。こないだニュースで「地球沸騰化」とかいう物騒なことばを目にしたけど本当なのかな。でも日陰はすずしい。お盆明けたらマシになるんだろうか。毎年こんなもんだっけ?サンダルで出たのに足に日焼け止めを塗り忘れた。今の時代に生まれて生きていく人たちはどんな気候と環境の中暮らしていくんだろう。いきなりすべての物事が大丈夫になったりしないかな。温暖化は心配なくせに今朝エアコンをうっかりつけてしまって後悔してる。8時を過ぎるとベッドに日光がガンガン入り込むもんだから暑い。いっそベッドを移動させるか?めんどくさいからいい。毎日おなじ道通ってばかりで飽きちゃったな。そういえば自転車に乗れるようになってほんとうによかった。

外出中。人が多い。混んでいる店はあれこれ気になっちゃって長居できない。絶対余計なお世話なのはわかってるけど、テーブル拭きとか手伝いたい。お皿下げたりとか、とろいかもしれないけどできますよ。誰かが時間をかけて作ったごはんを残して帰る人の気がしれない。ものすごく体調が悪くて食べたくても食べられなかったのかも。でもすごい元気そうに店内の写真撮ってたな。奥の店員さん疲れてそう、案外そうでもないかもしれないけど。帰ったら風呂にも入ってごはんも食べないといけないのってたいへんですよね。これだけの器とカトラリーを買い揃えるのにいくらかかったんだろう。夏でも便座があたたかい店はありがたい。

仕事中。あの本、こないだ積んだばかりなのに薄くなってる。追加どうしようかな。けどいつも、新しく出た本ってどこかのタイミングでぴたりと動かなくなる。から今回は様子見よう。あれも売れたんだ、おもしろいけど割と値が張るから気になってた。よかった。これも追加どうしよう。でもそうこう迷っているとき(本が売れてしまって店頭にない状態)に限って在庫を聞かれたりする。ついこないだ置いてたんです…!と歯を食いしばりながら答えるのはつらい。優柔不断なわたしに非があります。あ、DMの期限切れてる。片付けないと。そういえばあの本のキャプションもそろそろ書かないといけない。書影の撮影お願いしてるっけ?一冊一冊、気持ちを込めて紹介したいのに僅かに気力が足りない。気持ちはきちんと込めているのに何かが不足している。本ってあまりにもこの世に溢れすぎてる。不必要なものも、必要なものも。そろそろ棚の面陳のラインナップを変えたい。今のお釣りの渡し方、気持ち悪くなかったかな。最近細かい数字の合計をぱっと読み上げられない。3572円とか。ブックカバーをかけるときってお客さんの視線を感じてたどたどしくなる。いつもはもっとスムーズにかけられるんですよ。信じてほしい。

晩ごはんどき。本当にわたしって日々の晩ごはんを楽しみに生きている。店のシャッターを下ろして帰路につくときがいちばんいきいきしてる。こないだ作家のくどうれいんちゃんのインタビュー記事で「美食家でも、料理家でもない。彼女はただの、食いしん坊だ。」という文を見かけ、わたしやん、と思った。雑に作ったものであれ、なんであれ、ごはんがおいしければどんな日もうれしい。夏はやっぱり米より麺。炊きたての米の湯気を浴びると一気に食欲を失う。ゲームなどに出てくる熱に弱いモンスターみたいだ。夏の憧れのひとつとして、キンキンに冷やしたトマトを台所でまるかじりする、という場面を何度も妄想するのだけど未だにわたしは生のトマトが食べられない。

毎日毎日、断片的で短くて、なんの生産性もない会話を頭の中でひとりで続けて気づいたら一日が終わっている。同居人と話していても、猫と戯れていても、洗濯物を干すときも、ソファでじっとしていても、誰にも見せられない内側の自分がしきりに話しかけてくる。極めて個人的な立ち話のようでもある(何故か寝る前はちゃんとしんと鎮まるのでおもしろい)。
別にオチはないですが、そういうことをよくやっています。いつまでも調子良くありたい。


ちろ
本を読んだり台所に立ったりする人

恵文社一乗寺店書籍部門の人。家での晩ごはんを楽しみに日々生きています。

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