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よもやの筋トレ

noteをさぼった一年間、私の趣味は“じぶん”だった。心の方は、もういちど初心のカウンセリングを楽しむことにした。そして身体の方はというと、よもやよもやの筋トレに落ち着いた。

1.女っぽいのが、ちょと苦手。

最初はヨガとか、ピラティスとか、ダンスとか、女性の友人たちが取り入れているものを参考にしてみた。
しかしなんというか、そのぉ、女性らしいメリハリボディラインとか、しなやかな骨格とか、ヒップアップとか、バストアップとか、お洒落に素敵にセクシーに、みたいな意図が入ると、途端に興ざめしてしまう。
若い人の群れでも、美魔女の群れでも、主婦の群れでも、ビジネス女性の群れでも、なんかいつも浮く。(高齢女性の群れは、ちょっとなじむかも)。もしも10歳くらいで性別を自己選択するのが当たり前みたいなシステムだったら、私は女であることを選ばなかったかもしれないな。

誤解を怖れず、そして理想と現実の乖離を怖れず言わせてもらうと、重厚かつ凹凸の少ないまっすぐ芯の通った頼れるボディがいい。
たとえば闇夜の曲がり角でスマホ運転の自転車と正面衝突したとしても、私じゃなくて自転車の方が吹っ飛ぶくらいの鉄板ボディがいい。「轢かれた感ゼロ」だし、とはいえ轢かれたのは私なんだけども、「ほよ?」みたいな感じの方がいい(アラレちゃんか)。簡単に被害者になれない方がよい。簡単に加害者にもならないのがよい。

エネルギーが巡っていて、いざというときに動ける身体。
それであれば、別にセクシーでもキラキラでもなくてよい。

2.ごめんね、マインドフルネス。

筋トレを始めたのは、実はカウンセリングの中で「マインドフルネス」という言葉に対する嫌悪感についてさんざん語った後のこと。
おそらくここ10年くらいの間に一躍脚光を浴び、ビジネス系の自己啓発やスピリチュアル系の流れで何かと語られやすいマインドフルネスに対して、「なんで今さら流行ってんだよ」としつこく毒づいていた私。
しつこくこだわったおかげで、べつに「マインドフルネスさん」そのものに罪はなくて、それにゆかりのあるものについて過去に嫌な思いをしたことがあっただけだよねってことを確認できた。「マインドフルネスさん」と「過去のとてつもなく嫌なこと」を同一視するのは、大人げないからそろそろやめようと思うに至った次第。悪かったな、マインドフルネス。謝っとくわ。
そして、私なりのゼロになれる時間は、流行りの瞑想でもサウナでもなく筋トレにしようと決めたのであった。筋トレ、めっちゃ「今ここ」「ゼロになる」感ある。生と死、敗北と勝利、破壊と再生を同時に味わえる稀有な時間として、私は気に入っている。

3.いい塩梅の、ご神託。

この筋トレも、またご縁でして。
カウンセリングで、ぶーすかぶーすかマインドフルネスの文句を言った後の時期、つまりしばらくそのテーマのプロセスが内的に続いていた頃。私は近所のマッサージ店で、鼻っ柱は強いくせに残念ながらへなちょこボディである自分について嘆きながら施術を受けていた。すると突如、担当のお姉さんが「あきらめないで。(キラ~ン☆と効果音)おうちから歩いて行ける場所にパーソナルジムがありますよ」とご神託を授けてくれたのである。
「あきらめないで」と、お姉さんは再びキラーン☆と歯を光らせた。(マスクしてるから見えないよ。でも光ったんじゃないかしら)

そのジムもまた、ちょうどよくて。
ほぼオンラインでやり取りは完結して、営業トーク少なく、筋肉隆々でもなく肌の艶感を魅せるウェアなんかも着ないナチュラルかつコンパクトなトレーナー、時間通り初めて時間いっぱい筋トレして、時間がきたらナチュラルな笑顔で「サヨナラー」。ジムに入って15秒で開始、終了したら15秒でドアの外。まったりする時間が皆無で、実は雑談が苦手な私としては、もう痺れるちょうどよさ。美しく無駄がない。負荷ががかかるのは筋肉だけでじゅうぶんである。

なんか、自分の世界が自分の好きなもので徐々に満たされていく喜び。万人受けする「好きなもの、心地よいもの」じゃないだろうけど、ほかの誰でもない私が満足しているってことが、すごく大事。

筋トレの後とか、息子の野球の素振りにつきあった翌日とか、自転車ガチ漕ぎで遠出したときとか、「重厚かつ凹凸の少ないまっすぐ芯の通った頼れるボディ」に近づいていると感じられる日は、じぶんの内側が笑う。
キックボクシングにはまっている息子とともに、筋肉痛に歓びを感じる日々。

(実際の見た目の変化がどうかってことは、ちょっと置いとくよ)

こんな調子で、心も体も、もう少し自由になっていく気がしている。
またほどよいタイミングで、誰かがお告げを運んできてくれるに違いない。

楽しみに待つとしよう。







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