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2023美術展5選!パート①

 にわかに思い立ったので書いてみることにしました。昨年は東京、京都大阪を中心に、特別展・常設展分けておよそ20程の美術展に足を運びました。その中でも印象に残っている美術展を5つ取り上げて振り返ってみようと思います。

 評価軸は良い経験として残ったかどうか、心に残っているかどうかです。前置きが長くなるようですが、全てを書くのは骨が折れるので、暫定的には、まとめずにシリーズとして記事にします。

 初めましての方に自己紹介をしておくと、美術と文学が好きな一般人です。現代美術と額縁が好きです。芸術運動だとダダ、シュルレアリスム、象徴主義などが好きです。どうぞよろしくお願いします!

1.スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた/国立西洋美術館
2023.7.4-9.3

元々マティス展目当てに上野へ来ており情報は知らなかったのですが、「せっかくだし」と初めての来訪となりました。

目力が印象的な巨大な宗教画、ギュスターヴ・ドレの《シエスタ、スペインの思い出》からスタートしたこの展示、最も印象に残ったのも、始まってすぐのコーナーでした。ドンキ・ホーテの挿絵です。初めから最後まで様々なバージョンの挿絵が展示されており、私は実は未読でしたが、話の概要や流れを知ることができました。

オノレ・ドーミエ《ドン・キホーテとサンチョ・パンサ》

 この絵はとても好きです。ボケたシルエットの二人を見ていると、何となく、サンチョ・パンサからドン・キホーテに向けた思いが詰まっている気がします。

アンリク・クリストフル・リカル《魔法の小舟》


 挿絵にはそれぞれの絵師らの解釈や面白みがあり、中でもこの《魔法の小舟》は、当人にとっての壮大さと、その滑稽さがよく表されていてとても心に残っています。

 その他にダリによる挿絵も展示されていたのもよく覚えており、軽やかに最小限の筆致で描かれた馬の躍動感は見事で、「天才だ……」と、一人感極まっていました。基本的に撮影可能でしたが、ダリなどの絵は撮影不可でした。
 しかし版画の線の細やかさは目を奪いますね。

デーヴィッド・ロバーツ《〈ピクチャレスクなスケッチ〉 14番 ヒラルダ》

 …と、初めの方のテーマばかり印象に残っているわけですが、下のようなポップなリズム感は何となく明るい太陽のようなスペインのイメージと重なりますね。

ジュゼップ・モレイ《スペイン》

 何故か他の絵のことをあまり覚えていないのですが、スペインということでパブロ・ピカソやゴヤ、マネ、ドラクロワなど有名な絵もあったようです。何故か覚えていませんが…。マネの《アブサンを飲む男》があったのは覚えていますが、アブサンが描かれていたのは気づかなかった気もします。

 締まりが悪いようですが、昨年の美術展で一番私に刺さったのはこの展示でした。何よりドン・キホーテに興味が湧きました。『若きウェルテルの悩み』が愛読書なので、そういう主人公が好きなのだと思います。これを機に『ドン・キホーテ』を読もうと思います!

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