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テレワークを語るとき、電子メールの悲惨な思い出が蘇る

コロナウイルスでテレワークの時代がやってきた。元に戻れない

コロナウイルスが1,2年収束しないという意見が強くなった今、デジタルシフトがますます進む。しかし、これはデジタル・デバイドが急速に進むことになると思います。そうなると、デジタルを使いこなせない人は、教育を受けられない、仕事にも就けない、老人は社会から孤立するという世界が来るかもしれない。こういう話をすると、30年前にも、デジタル・デバイドがあったなと思い出します。

メールで喧嘩するの?

古い話で恐縮ですが、今から30年以上前に、日本にもインターネットがやってきて、どこの企業でも電子メールを使う時代がやってきました。

これが曲者でして、本当に!

ある会社にいるときに、新しもの好きの私は、率先して、メールサーバーを立ち上げました。最初は使う人が少なかったものの、数年後には全員が使うようになってました。

ITエンジニアの集まりだったので、毎日プロジェクトのメールがたくさん来るようになりました。一日に100通から多いときは、500通以上だったかな。それは、もうたくさん来ました。メールを送るのって気楽でいいなとみんな考えていたのでしょう。

しかし、ここで予想もしなかった事態が起きたのです。

なんと、電子メールのやりとりで喧嘩をする事態があちこちで起き始めたのです。私の頭の中は、なんで???????でした。

よーく観察してみると、電子メールで喧嘩するように人たちは、対面でもコミュニケーションが成立してなくて信頼関係をうまく作れなかったような人たちだろうという結論に辿り着きました。

なので難しい議論になったら、電子メールなんかやめて、とっとと電話しなさいと言うようになったのです。

この時代、どの企業でも電子メールでコミュニケーションミスが発生して社会問題になり、久米 信行さんが書かれた『メール道』のようなメールの書き方の指南書みたいなものがたくさん出るようになりました。今は、そういう本は読まないのでしょうか。企業では、メールよりチャットツールですよね。

最悪のデジタルトランスフォーメーションだった

振り返ってみれば、電子メールの出現は、悪い見本のようなデジタルトランスフォーメーションでしたね。昨今、話題となっているデジタルトランスフォーメーションにおいても、その本質は、組織文化を変革することだという人が多いと思います。それを、言うのであれば、何十年も前に電子メールが日本に登場した時代となんにもかわってないよいような気がします。その当時の経営者、マネージャーたちは、

「電子メールなんて、面倒だ。言いたいことがあれば、面と向かって言え!会議室で対面の打ち合わせをやろう!」

という人が多く、電子メールが出てきても、それを組織の強みにしようと本気で考えた経営者、マネージャーは少なかったと思います。昔の成功体験に縛られるのは、いつの時代も同じですね。

それでもメールは、コミュニケーションを加速させた

仕事で忙しい人ほど、使い方を誤らなければ、強い武器になりました。知り合いの若い経営者達は、毎日数百通来るメールを苦にもせず、瞬時にさばいていたと思います。さすがに一日に1,000通近くもなれば、速読しないと追いつかないので、速読を勉強されていた人もいます。

もともと対面でしっかり信頼関係を保っておけば、メールはとてもアジャイルなコミュニケーションツールになります。信頼関係があれば、メールが届いたときに、相手がどんな状況、どんな感情でそれを書いたのか推測できます。返事も瞬時に返しておけば、信頼残高は大きくなります。

時代は移り、今では社内でメールを使うことは減り、チャットツールにシフトした会社が多いと思います。

チャットツールは手強い

チャットツールは、個人、会社で使うようになりましたが、スタンプという素敵な文化はありますが、文章が短いので、文章にならない部分を想像で埋めていく感じすかね。自分が発信した文章も短いので、相手にいらない警戒心を持たせることも多い。なので、お互い、思考の癖、状況をかなり理解しておかないと、炎上する確率は高いです。

テレワークは、電子メール出現の二の舞になるのか?

今、テレワークで働くことは、普通の選択肢となったと思います。そのときに、チームコミュニケーションはうまく行くのでしょうか?

30年前は、ネットが遅く、リアルタイムで顔を見ながらしゃべるなんて夢でしたが、今は、ネットの速度は飛躍的に速くなり、コンピューターの性能も爆速になったので、web会議では、相手の表情、音声が鮮明なり、常時接続で安いコストでできるようになりました。あと、足りないのは、五感のうちの身体感覚ですかね。そこに人がいるという触感、匂いといったものがテレワークでは感じられません。あと、日本独特の文化、とりあえず会社に来てればいいような評価の仕方も変わっていくのでしょう。



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