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性淘汰、非モテ氷河期

 ……ということで、現代日本のホモサピエンスの雌が特定の雄をパートナーに選ぶ過程について考察をしていこうかと思う。男性が女性を選ぶことについては考えないこととする。(全く学術的じゃない非モテの妄想なので気にしないでね)

 まず純粋に自分にとって利益のあるパートナー、すなわち金持ちである。お金があれば食料が買え、住む場所が買え、着る服が買える。つまり生きていくことができる。
 生物にとって一番重要なことは自分が生存することであるのでお金持ちをパートナーに選ぶは自然なことであり、だからこそ男性は金を持っていることをアピールするために高い腕時計や車を買ったりするのであろう。
 しかし、貨幣経済かつ自由恋愛である社会はあまりにも歴史が浅いため女性が本能的に金持ちを選ぶとはあまり考えにくい。理性で選ぶのである。

 次に体の大きく筋肉量が多い男性である。羽の綺麗な孔雀の雄、ツノが立派なカブトムシの雄のように、体が大きく、声が低く、髭が濃い男性はオスとして特徴的だ。
 男性の体が大きいことはそれだけでなく、自分を守り、また狩猟採取時代であればより食料を持ってきてくれる雄ということになる。その遺伝子が受け継がれ、現代でも身長が高い男性がモテるのではないのだろうか?いわゆる「暴力性が高い男性がモテる」という言説もここに由来すると思われる。

 しかしそれだけでは説明できないこともある。例えばバンドマンがモテるように、歌が上手だったり楽器が弾ける男性はモテる。楽器が弾けるからといって現代を生きていけるとは限らないし狩猟採取時代であれば尚更何の意味もない。それはやはり“楽器の上達へ注ぎ込めるだけのリソースの余裕がある”からであろう。この説明でファッションなど、一見生きるために何の意味もないのにモテる要素が理解できる。
 生きるだけで精一杯な人間は外見に気を使うことはできず、また芸術などの文化に触れる余裕がない。女性は芸術などの文化に精通する男性を通して、その奥にある人間としての余裕を感じ取っているのだろう。

 それでもまだいくつか疑問は残る。「どういった男性がモテるか?」と言われて真っ先に思い浮かぶのはイケメンであろう。容姿の中でも顔は多くの要素を占めている。ヒトは相手の表情を読み取ってコミュニケーションを取るのでそれも当然……なのだが、それほどまでにイケメンが大事ならなぜこの世には不細工な人間が生き残ってしまっているのだろうか。
 お見合い結婚などで不細工でも子どもを作ることができたから?それともイケメンの基準が時代によって変わってきたから?
 一説ではヒトが個体を識別するためにいろんなタイプの顔が生まれるようになっているのだという。イケメン美女からたまに不細工が生まれるのもこれが原因か。

 いずれにせよただ言えることは、自分には上記のいずれも持ち合わせていない、本能的にも理性的にも女性に選ばれないということだ。
 さらに今後我々非モテ男性は前の時代より子孫を残すのが難しい。SNS、交通網、マッチングアプリの発展によって現代女性はいくらでも格上の男性に会えてしまう。女性が相手を選ぶハードルが高くなってしまうのだ。大規模な性淘汰の時代は、もう始まっている。非モテ男性達よ、運命に抗おう!


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