見出し画像

卵が先か鶏が先か。コーポレートPPAの難しさ。

私は、これまでコーポレートPPAがなぜ必要なのかを述べてきた。「追加性」や「脱炭素に貢献している」ことが重要なポイントだ。今日はコーポレートPPAが何かではなく、コーポレートPPA組成の難しさについて書いていく。

卵が先か鶏が先か

PPAという言葉を聞く機会も増えた。しかし、取り組み事例はまだまだ少ない。なぜか?私が感じているのは、これだ。「コーポレートPPA、卵が先か鶏が先か問題」

ちなみに卵が先か鶏が先か。という言葉は、こういう意味らしい。

「卵が先か鶏が先か」という言葉は、2つの関係する事柄のいずれが先かわからないときに使う。

例えば、
①給料が安いために人材が集まらなく、儲けが出ない
②儲けがないために給料を高くすることができなく、人材が集まらない

これは実際どっちが先に来るかを判断するのは、極めて難しい問題だ。そして、コーポレートPPAでもこれが起きている。

コーポレートPPAとは、発電事業者と需要家が長期契約を結ぶことだ。そこに今の日本であれば、電気事業法の絡みで、小売電気事業者のアレンジも必要になる。

ここで、卵が先か鶏が先か問題が発生する。

発電事業者は、顧客がいないのに、開発はしない。当たり前だ。建設には、何億もかかるのに、買い手がいない発電所を作るわけがない。顧客が見つかったら、土地を探し、ファイナンスをし、というステップが発生する。

一方で、顧客もそうだ。発電事業者の条件が分からないのに、契約します。なんて言えるわけがない。ましてや15-20年契約。簡単な買い物ではない。

つまり顧客がいない限り、わざわざ発電所建設の動きはしないが、顧客からすると、土地や系統連系の見通しが立っており、価格の水準が分かる状態で契約を進めていきたい。

だいたいここで、交渉が決裂する。発電事業者は、「熱が高くない顧客に時間をかけたくない」顧客は、「ある程度価格の相場が決まってからやればいいのでは」と。

そもそもなんでこんなジレンマが生まれるのか。FIT売電で買取価格および、買い手が決まっているなら、発電事業者もガンガン発電所を建てられる。そもそもFITの買取価格は破格(高い方)なので、多少土地にお金がかかっても、収益性が見込める。

しかし、FITの買取価格が下がり、発電事業者の売電収入への目線が厳しくなった今、「とりあえず発電所を作ればなんとかなる」ということはあり得ないのだ。

屋根の上に太陽光パネルを乗せるのであれば、ある程度価格も読めるかもしれない。しかし、オフサイトの場合、土地の価格、系統連系にかかる費用、自然災害対策等々、変数が多すぎる。

もはや、条件面も完全にオリジナルだ。案件ごとに条件は違う。東京と福岡が家賃に差があるように、発電所建設だって、当然条件面に差がある。

したがって、卵が先か鶏が先か問題が発生する。

ここまでくると、もはやオフサイトをやる意味がないのでは?という反論がきそうだ。

私もそう思う。しかし、現実はそう甘くはない。日本は国土が狭いのだ。まず、建物の屋根にパネルを乗せる選択肢は、限定的である。そして、次にくるのが、土地が余っていない問題だ。

よって、多少の不確定要素があろうと、前に進める努力をする必要がある。

じゃあどうすれば良いのか?
実は私はこのアレンジをやっている。顧客の本気度と発電事業者への条件交渉を行っているのだ。多くの場合、発電事業者は発電事業者の立場、顧客は顧客の立場からしか、見ることができない。そこをフラットに見て、両者をマッチングする。それが私の役割だ。

最後に

ここまで聞いて、コーポレートPPAマッチングに興味が出た方は、ぜひご連絡ください!このイノベーティブな領域に、本気で取り組んでいます!

よろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?