見出し画像

第71回全日本剣道選手権 優勝予想

こんにちは、今年もやっていきます。
前年度は、村上哲彦選手が優勝しましたが、その前の年ベスト8になっておりますので、やはり「実績」がついた方が優勝してますよね。その辺の傾向を踏まえて予想していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

予想する事前準備

①下剋上が起きる可能性があるが、初出場での優勝は厳しく、基本的に実績

もしかしたらこの人が初優勝するかもしれないという観測的なもの、勝負は時の運ともいいますが、剣道の優勝候補を予想する際には、残念ながら当てはまる可能性は限りなく低いです。人が審判をしている限り、その競技の性質上「公正」に近づこうとはするも「公正」になることはありません。人は打突の認知に0.3秒かかりますが、手元が上がってからの打突スピードは速くて0.26~0.45秒くらいです、つまり、0.3秒切る場合がある、ましてや、動体視力が落ちているであろう8段が審判であり、そこには主観的な判断が発生します。そうすると、初出場で実績のない選手、暗黙の了解の雰囲気を実績のない選手は、大会の雰囲気にも慣れなきゃいけないのに、更には、審判に「おっ!」っと思わせる「位のある攻め」も要求されます。全日本剣道選手権というハイレベルな戦いにおいてそれを突破するには想像以上の労力を要します。1回戦の相手はトーナメントで決まっているので、1回戦の相手に対して何かしらの対策を立てることはやります。なので、短期的な番狂わせは発生する可能性は高いですが、長期的な番狂わせの発生は非常に低いです

初出場選手の優勝が厳しい理由としましては、もう一つ、準決勝から試合時間が10分という全日本特有ルール。これはどういうことか?序盤に1本決めてもあんまり意味がないということですね。すると、全日本剣道選手権のレベルではどういったものが求められるかというと「序盤で1本決めた場合はもう1本とりにいかないと1本取り返される」ということです。序盤で1本決めた場合はもう1本とりに行ける「攻撃力」がないと8段の審判ですから守りに入っていると思われてしまった場合、攻めてる方の旗があがりやすくなります。この試合時間10分の展開になれていないと混戦になればなるほど動きが雑になっていきます。
※10分ルールなくなったかどうか未確認

こちらの通りですね。
優勝している選手の中では、その前回大会に置いて、何らかで入賞しているパターンが非常に多いです。
安藤戒牛は全日本制する前に警察大会、学生大会計3回優勝しています。

寺本将司選手14年前で、3回戦どまりの選手でしたが、優勝した年は、全日本の前に行われる全国警察剣道大会で個人戦優勝しております

正代賢司選手は、優勝する前年は3回戦ですが優秀選手、全国警察大会個人3位ですね。優勝してから知名度を上げた選手。

この記事的の予想に反する番狂わせは、ここ30年でみると、7年前の竹之内選手、鈴木 剛選手、近本 巧選手。実は昭和の時代は入れ替わり激しいのですが、現代の剣道ルールに準ずれば近年の方が参考になるかと思います

②全日本剣道選手権の審判は八段

全日本剣道選手権で日本一を輩出するということは、八段の審判の責任問題になり、下手な剣道(剣道らしからぬ剣道)をして優勝した剣道人が世に広まった場合、剣道界に大きな影響を与えます。そのため、どの全国大会よりも旗はあがりにくいです。有効打突の条件以上に「攻め勝った1本」というものを求められます。先程述べましたが、人は打突の認知に0.3秒かかりますが、手元が上がってからの打突スピードは速くて0.26~0.45秒くらいです。動体視力は人間で一番最初に衰える部分ではないかと言われている中、八段の高齢の審判は「当たった」「当たらない」で旗を挙げることはできません。特に「引き技」「近間からの技」「無駄打ちが多い」パターンなど、8段の審判は旗をあげたくなくなります。全日本剣道選手権の場合は、ただ単に1本1本じゃ成り立たない立ち回りも要求されるということです。じっくり打突の機会を伺うまでは中段の構えを崩さず、一撃にかけるような「捨て身の打突」が出来る選手が好まれます。

③苦手意識・ビギナーズラックは脳科学的には「ありえる」

人は、相手に対して負けた印象を1回植え付けられてしまうと、脳がその相手に対して「マイナス」の意識が働きます。

特に『長所』を突破されて敗退した場合は、次の試合で当たった場合も敗退する可能性があります。

引き銅で1本負けするより、相面で負ける方が苦手意識は強くなります

そういった意味で、全日本選手権で「負け」を知らない若手は一気に優勝へ駆けあがっていく可能性がありますし、逆に、何回も出場し続けている選手というのはこの「マイナス」の意識が脳に働くため、慎重な剣道になる可能性があります。

なので、トップクラスの過去の対戦実績・1本の取り方・取られ方は重要なデータになります。また、初出場や出場2回目で前回好成績を収めている選手は、恐れを知らないので元気あると思います。

データは会場の雰囲気や審判が同じものが参考になるので基本的過去の全日本選手権の試合内容の勝敗はチェックします。

この苦手意識を克服するためには、過去に一本取られた脳の記憶を打ち消してでも自分の得意技を機会の時に出し切ることが求められます。これは、慎重派やベテランになればなるほど難しいことです。逆に、怖いもの知らずは短期決戦では強いです

④近年の実績チェック

正直、番狂わせがあった方が面白いですけど、優勝予想する際、実績ある方が優勝する可能性がかなり高いため、ここから割り出し絞っていきます。
前回:第70回はこちら
優 勝村 上 哲 彦 愛媛県
二 位安 藤   翔 東京都
三 位矢 野 貴 之 東京都
   池 田 虎ノ介 福岡県
優秀選手
大 谷 昇 平 福島県
松 本 和 明 香川県
山 下 雄 輔 三重県
中 澤 公 貴 高知県
林 田 匡 平 福井県
松 﨑 賢士郎 茨城県

続いて今年の警察大会はこちら

優 勝 土 谷 有 輝 大阪府警察
二 位 竹ノ内 佑 也 警視庁
三 位 染 谷 恒 貴 千葉県警察
    真 田 裕 行 神奈川県警察

https://osa-kendo.or.jp/award/convention/all_japan

最後に過去5年のベスト4をみてみましょう
第六十六回(平30)西村英久(熊本)内村良一(東京)安藤翔(北海道)竹下洋平(大分)
第六十七回(令01)國友錬太郎(福岡)松﨑賢士郎(茨城)前田康喜(大阪)竹下洋平(大分)
第六十八回(令02)松﨑賢士郎(茨城)村上雷多(大阪)星子啓太(鹿児島)林田匡平(福井)
第六十九回(令03)星子啓太(鹿児島)林田匡平(福井)山田将也(愛知)村山仁(神奈川)
第七十回(令04)村上哲彦(愛媛)安藤 翔(東京)矢野貴之(東京)池田虎ノ介(福岡)

優勝予想

本命:池田虎ノ介 福岡県

前回ベスト4、筑波大学4年でフィジカルは一番いい状態です。筑波大の全日本優勝ノウハウと前回の経験もあります。学生優勝は星子選手・松崎選手が経験してしまって、コロナ禍だっとしても、珍しいものではなくなりましたので、筑波大に関しては警察とそんなに差はないんじゃないかなと思いますし、組み合わせも観ましたけど、ベスト4は一番堅いと思いました。
そして、ベスト4で竹之内選手か國友選手が上がってきても池田選手が勝つんじゃないかな?と思ってしまいました、全体的に確率がいい感じに計算できるので、今回「本命」にします。
個人的には2回戦橋本選手と当たったら面白いカードになるなと思っております。

対抗:矢野貴之 東京都

前々回ベスト8、前回ベスト4で3回目の出場。学生選手権優勝して警視庁に入って、激戦区の東京都予選も3年連続で通過しているので、優勝するための実績の流れからすると、完全に今年じゃないかと感じますね。
組み合わせは、順当に行けば、山下選手か松崎選手と当たり、続いて、星子選手か村上選手に当たります。池田選手よりは比較的きつめなので「対抗」にしました。優勝するならば勢いでいくんじゃないでしょうか。

穴1:星子啓太 東京都

現役でみるならば、個人的には一番強い選手だと思っています。前々回優勝。前回、上段の山下選手に1回戦で敗退ですね。前年優勝すると次の年1回戦で敗退するのは全日本ではよく起こることなのですが、山下選手は上段であって、1回戦やるのは中々きつかったのかなと思います。
去年の状態なら優勝すると思うんですけど、やはり警視庁に勤めていると、勤務1~2年というのは、こちらが想像できないストレスを抱えますから、ケアをしていないと身体が硬くなるんですよね。星子選手というのは元々反応がいい選手なんですけど、そこは池田選手の方が年齢と立場的に有利かなと思いまして、今回「穴」という位置です。
といっても、追われる立場ではなくなったので、前回よりは気楽は出場できるとは思いますし、まだ25歳なので、2年ぶり優勝はありえそうですね。
あと、組み合わせで、もしベスト4で矢野選手ではなくて、山下選手に当たると、結構きついんじゃないかなと思います。

穴2:山下雄輔 三重県 

注目度が低い中で、上がってくる可能性が一番高い選手です。
前々回ベスト8から前回村上哲彦選手は優勝したんですよね。この地方勢の快挙というのは、刺激になっているはずです。
「中澤公貴選手」も同条件なんですけど、前回、今回優勝候補筆頭にしている池田選手に敗退しています。中澤選手は順当にいけば池田選手とベスト8であたります。実際の所、剣道はリベンジっていうのは常日頃稽古してたり何回も対戦している関係じゃないと勝つのはちょっと難しいです。
対して、山下選手は、1回戦星子選手に勝利して、ベスト8で前回王者の村上哲彦選手に敗退ですね。手ごたえが充分あった前回だと思いますし、2年連続出場しているということは、モチベーション高いはずです。
ただ、前回に引き続き組み合わせがきつくて、山下選手は順当に行けば2回戦足立選手、3回戦松崎選手、準々決勝矢野選手、準決勝は村上選手が上がってくるか、星子選手となります。
ベスト4で村上選手と当たるのがちょっと嫌ですけど、2年連続優勝というのは想像以上に難しいのですから、ベスト4は星子選手上がってくるんじゃないかなと予想した場合に2年連続で対戦することになります。
ベスト4でこのカードが実現したら、面白いですね
それでも「強者」を倒す力は前回大会で証明されてますので、その勢いが乗った時に優勝可能性がぐっと高まると思います。

まとめ

全日本剣道選手権に求められるのは、技術は当然ですけど、どうしても精神状態と年齢的なフィジカルが課せられますので、このように出してみました。この優勝予想記事は4回目くらいですね。ここ最近2回連続外しているので今年は当てたい気もしますが、予想が外れた方がそれはそれで面白いので、外れることも期待しています。村上選手、竹之内選手、松崎選手、國友選手、林田選手は勿論気になりますが、記事として面白くしたいなという気持ちも半面ありつつも、ビギナーズラックも考慮して絞ってみました。
アクセス数が少ない分、好き勝手に言える企画でございます。
右上のブロックが比較的勝ち上がりやすい気がしますので、大平選手がもしベスト4いったら、このnoteのパターンでいくと次回優勝候補になるでしょう。
ちなみに、個人的には、村上選手と國友選手の剣道が好きですが、好きでは予想はしておりません。2年連続優勝というハードルは、相当高いですよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?