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胎児エコー:計測断面

今回は胎児エコーの基本、推定胎児体重を算出するための計測断面についてお話しようと思います。

胎児エコーの本に技師向けのものは少なく、
だいたいは医師か助産師向けのものです。

技師が書く技師のための計測断面のポイントを書いていきますね!

胎児エコーについてのまとめはこちら

児頭大横径

まずはBPD(児頭大横径)。
mid line、透明中隔と四丘体槽が描出できたところで横幅を測ります。
絵のようにmid lineを3時⇔9時方向になるように描出すると綺麗にうつります。

しかし、児の顔の向きや週数によって見えやすさがかなり変わる部分なので
経験が必要なビューといえます。
施設によって許容されるビューは変わってくると思うので、
先輩や医師と相談しつつ習得していきましょう。

私が教えるときは首の骨をまっすぐだした状態で90°プローブを回転させてBPD断面を描出するという風に教えていました。
BPD断面が出せないときに試してみてください。


胎児腹部

次に胎児腹部を計測します。
腹囲周囲長(AC)または腹部前後径(APTD)×腹部横径(TTD)で評価します。

計測方法は違えど描出するビューは同じです。
臍静脈が前方1/3~1/4の部位に描出され、同時に胃泡が描出されるビュー。

テキストでは臍静脈がまっすぐでている画像が多いですが、
絵のように『ノ』となっているところの方が綺麗な円形として出せるので
計測しやすくてオススメです。

胎児の体に対して斜めにビームを当ててしまうと
楕円形になってしまい値が大きくなりがち。
(=推定体重も大きくなります)

他に綺麗な円形として腹部を出すためには

  1. 背骨をまっすぐに出して90°プローブを回転させる。

  2. 背骨が3時の位置で臍静脈が9時の位置になるように描出する。    (逆位置でも可)

  3. 腹部大動脈や下大静脈が楕円形でないことを確認する。

  4. 副腎が左右同じ大きさで腎臓がでていないビュー

以上のポイントがあります。

大腿骨長

最後に大腿骨長(FL)を計測します。
骨は超音波を全反射するため骨そのものを描出することはできません。
なので反射像を計測することになります。

腎臓→膀胱と見たあとにプローブを胎児尾方向に動かすと
骨盤の反射が骨と同様に見えます。
初心者さんはそれを大腿骨と勘違いしやすいため注意。
短い骨(骨盤)をスルーした後にでてくる長い骨(大腿骨)を計測します。

以上の3か所を計測後、EFW(推定胎児体重)を算出します。
基本的に胎児用のプログラムがはいっている超音波検査機器だと
勝手に計算してくれます。

患者情報に週数を入力すると
BPD、AC、FL、EFWそれぞれの値の標準偏差がでます。

0SDが週数相当。
+1.5SDが大きめ、-1.5SDで小さめといわれます。

+1.5SD以上の場合は羊水過多がないか(巨大児になりやすい)、
-1.5SDでは胎児発育不全が疑われるため
臍帯血流計測をしたり、羊水過少がないか追加で検査しましょう。

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