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県内各地で活躍する地域連携アドバイザーがあなたの地域に出張します【派遣団体募集】

先日、鹿児島県共生・協働センターが主催する「地域資源活用・協働促進事業シンポジウム『しる』『つながる』『ひろがる』地域づくり」が開催されました!本シンポジウムは、鹿児島県共生・協働センターが同事業の中で行う【地域連携アドバイザー派遣】の取り組みを広く紹介するもの。当日は、第一部にて前年度の取り組み紹介、第二部にて地域連携アドバイザーや参加者同士の交流が行われました。

地域連携アドバイザーとは

【地域連携アドバイザー概要】
地域コミュニティ組織やNPO法人等、持続可能な地域づくりに向けて活動しようとしている団体や既に活動している団体からの依頼に対し、各団体の課題に対応した専門的見地からの助言・支援を行うソーシャルビジネスなどの知識を有する方々です。
(鹿児島県共生・協働センターHPへ)
◆地域連携アドバイザー紹介
鹿児島県地域連携アドバイザーの皆さん

鹿児島共生・協働センターHPより

シンポジウム参加対象者は、「地域づくりに興味関心がある」、「地域活動への行き詰まりを感じている」、「地域課題解決に向けた新たな取組を始めたい」といった団体や個人。県内各地から約30名が参加しました。

当日の流れ

【第一部】パネルディスカッション
活動事例発表①
一般社団法人LOCAL-HOOD
『チャレンジ拠点の運営と課題』
活動事例発表②
北山校区コミュニティ協議会
『地域に活力を生み出す取組について』

【第二部】地域連携アドバイザーや参加者との交流会
◆◆分科会①
生む・拡げる・巻き込む ~情報発信と拠点づくり~
◆◆分科会②
続ける・寄り添う・支える ~積み重ねる地域づくり~
◆◆分科会③
見つける・創る・繋げる ~地域の捉え方と活かし方~

本日、全体進行を務めるのは、市村良平さんです!

市村良平さん〈地域連携アドバイザー〉
株式会社スタジオグッドフラット代表取締役。中心市街地活性化、公共空間の利活用、男女共同参画。子育て支援など社会課題解決に向けた取り組みをサポート。ほかに計画策定や計画実施に伴うマネジメント、イベントの企画・運営(コーディネート・ファシリテーション)を担う。地域の人たちと戦略をつくって実行したり、地域で講座を開いたり、地域のあらゆるチカラが発揮される機会と環境をつくることを考えている。

まずは、今日心がけてほしいことや、ゴールを確認します。

周囲の参加者同士3~4名ほどで自己紹介後、
パネルディスカッションへ移ります。

【第一部】パネルディスカッション前半

まずは登壇する地域連携アドバイザーを紹介。
その後、事例紹介へ入っていきます。

立和名徳文さん〈地域連携アドバイザー〉
廃校を利活用し、交流人口の増加に取り組む。高山ふるさと秋祭りなど体験イベントなどは全て有料で運営することを大切にしている。また、「稼げる地域」を意識し、高齢者が作る農産物を集荷し物産館へ出品する仕組みづくりを行い、高齢者の生きがいにつながる取り組みに注力している。あわせて、地域の車庫を改修し、土日限定で婦人部による農産加工品の販売を実施。土曜日にほぼ売り切れるほどの盛況ぶりという。

村上裕希さん〈地域連携アドバイザー〉
一般社団法人E'more秋名 代表理事。2018年、地域住民有志とともに同団体を設立。空き家を活用した一棟貸しのほか、町立の飲食宿泊交流拠点「荒波のやどり」の指定管理業者として地域資源を生かした体験型観光やインターン等外部人材導入のコーディネートを実施。看板事業である飲食事業では、島のお母さんたちが島料理を提供する際に、自分や地域の若者がお母さんたちとともに調理しながら島の暮らしを学び、お客様に伝えていく。島に来ていただいた方に奄美の暮らしを感じてもらいつつ、地域の暮らしを守る活動を実施している。

山本美帆さん〈地域連携アドバイザー〉
HUB a nice d!オーナー。転勤族のママであったご自身の境遇から、「ママたちが活動できる場所が欲しい」、「子連れでも働きやすい環境がほしい」と強く思っていた。同じ思いを共有する方々と出会い、2018年に古民家を改修した地域拠点【HUB a nice d!】をオープン。店舗を貸し出すチャレンジショップ運営やイベント開催などを行う。拠点づくりと同時に対話の場づくりを重ねた経験から、現在、一般社団法人テンラボの一員として、各講座や地域プロジェクトに携わる。

一般社団法人LOCAL-HOOD
『チャレンジ拠点の運営と課題』

事例紹介前半は、一般社団法人LOCAL-HOODの湯目知史さん、由華さんご夫妻です。東北地方出身のお二人は関東での会社員経験を経て、2020年に種子島・中種子町地域おこし協力隊として着任し、移住します。

地域の方々と日々を共にする中で、「地域の人が何かやってみたいと思う瞬間が、最も地域の活力があるときだ」と感じ、「地域の『やってみたい』を応援したい」と思うようになります。その後、一般社団法人LOCAL-HOODを立ち上げ、住民の方々が地域活性化等の新しいことに挑戦する際の相談を受けるなどチャレンジ支援に取り組みます。あわせて相談できる場所・情報が集まる場所の必要性を感じ、商店街の築60年の空き家をリノベーションした地域拠点『チャレンジ拠点YOKANA』を立ち上げます。相談事業のみならず、イベントスペースの貸し出しなど、地域に開かれた拠点として運営しています。

そうした地域のチャレンジ支援を行う一方で、「活動が認知されていない、活動が正しく伝わっていない、活動が利益につながらない」といった課題を抱えていた湯目さんご夫妻。

ちょうどその頃、令和3年度地域資源活用・協働促進事業キックオフシンポジウムに参加したことをきっかけに、地域連携アドバイザー派遣制度を知った知史さん。そこで、同じく離島で空き家をリノベーションし、地域拠点を運営する山本美帆さんに相談を依頼します。

山本さんは、「まずは、湯目さんご夫妻がこれからどんなことをしていきたいのか詳しく話を聞きたい」と、実際にチャレンジ拠点YOKANAへ赴き、活動への想いやこれからの運営について、湯目さんご夫妻との対話を重ねます。

実際にチャレンジ拠点YOKANAに足を運んだ山本さんは、「YOKANAで地域のママたちがワークショップをしている姿が印象的でした。現場に足を運ぶことで、地域の人たちに使われる場所になっていることを実感し、二人の活動をより応援したい気持ちになりました」とその時のことを振り返ります。

対話とオンライン両方を活用し、行われた今回の地域連携アドバイザー派遣。知史さんは、山本さんとの対話の中で、「自分たちが表面的な数字の部分だけを見て不安を感じていたことに気づかされた」と話します。「表面的な部分だけでなく、(自分たちの)内面的な部分、真意をどうやって伝えていくべきなのかを考える、足元を見るということ、また、売上よりも〈小さくはじめて大きく育てる〉というマインドも教えていただきました」と話します。

また、「県としてきちんと制度があることで相談しやすかった」と知史さん。由華さんは「自分たちだけで悩みながら活動するということに限界を感じている中で、アドバイザーの方々の知識を頂いたり、応援して頂くと自分自身のメンタルも回復する。また明日頑張ろうという活力になる」と心の内を言葉にしてくださいました。

そして、「自分たち自身もこれまで誰もしたことがないことにチャレンジしている、それを支えてもらっていることの心強さも実感しました。私たち自身も応援される側の一人として挑戦を続けていきたい」と湯目さんご夫妻。最後に、「一人で活動していることも誰かとのアクションにすることで地域が元気になる。今後もチャレンジ支援の取り組みを続けていきたい」とこれからのことを話してくださいました。

地域連携アドバイザーとして共に考えた時間について、山本さんは「今後、種子島で何かあるときは湯目さんに相談できるというつながりになりました」と話します。また、「地域の〈チャレンジしたい層〉を探すという共通の悩みを抱えていることや、同じ移住者であることなど、共感するところもあり、場所は違うけど頑張ろうねと言い合えるような、そんな時間を過ごさせていただきました」と振り返りました。

【第一部】パネルディスカッション後半

続いて事例紹介後半へ入っていきます。

加藤潤氏〈地域連携アドバイザー〉
NPO法人頴娃おこそ会副理事長。「地域総力戦のまちおこし」を合言葉に、番所鼻自然公園などの地域資源の発掘・活用・マップ作成。商店街の古民家再生等、地域に根差した幅広い分野のまちづくりに取り組む。頴娃町で10軒以上の空き家再生を経て、各地の物件を手がけるコミュニティ大工として活躍。施主参加型のワークショップ的な建築現場の運営や食事交流を通して、つながりを提供しながら大工仕事を進める。

永山恵子氏〈地域連携アドバイザー〉
NPO法人よしのねぎぼうず理事長。40歳から10年間、「何も知らない吉野のことを知りたい」と地域情報誌の発行を開始。その後、「人が好き」、「人と人を直接つなぐことをしたい」との想いから、2005年にNPO法人を設立。生活の中で困っている人の手助けになりたいとの想いで、弁当配達など高齢者や子育て中の方々の生活支援、そのほか自主防犯組織の運営や地域活性化のためのイベントの開催など、「地域の人たちが、自分たちの手作りの中でできること」で生活に密着した地域おこし活動に取り組む。

四元朝子氏〈地域連携アドバイザー〉
サンカイ・プロダクション合同会社代表。会社員時代に「広報とは何ぞや」を学ぶ。また、フランス語を習得し留学。留学中に地下鉄の広報やアートスペースでの仕事を経て、帰国後、メディア芸術・コンピュータを使ったアート作品の広報に携わる。現在、マスメディアPR、デジタル&フィジカルプロモーション、アーカイブ制作など、多様な手法で広報活動を行う。2016年、広報活動のためサンカイ・プロダクションを設立。2021年より、galleryHINGE(鹿児島市)の共同運営を株式会社スタジオグッドフラットとスタート。

北山校区コミュニティ協議会
『地域に活力を生み出す取組について』

北山校区コミュニティ協議会は、姶良市の山間部に位置する人口約200名の地区にあります。これまで様々な農業体験やイベント、特産品「黄金北山筍」の販売等を通してコミュニティ全体で地域おこしに取り組んできました。

しかしその一方で、ほかの田舎と同じく過疎・人口減少が深刻な北山。会長の内甑達也さんと、北山へ移住しコミュニティナースとして活動する山下えりかさんは、「今後、移住者を呼び込むことや空き家再生、広報にも取り組んでいきたい」いう思いを抱くものの、一体何からどうしたらいいのかわからなかった、と話します。また、「すぐに使える空き家がない、空き家を改修して本当に移住者が来るのか?」といった疑問もあったと言います。

その頃、お二人が参加したのが令和3年度地域資源活用・協働促進事業キックオフシンポジウム。そこで地域連携アドバイザーである加藤潤さんに出会い、分科会で交流したことをきっかけに、加藤さんに相談することを決意します。

アドバイザー派遣初日、〈まずはこの地域を見てもらいたい。そして外からの目線で北山がどんな地域なのか知ってほしい〉との思いから、加藤さんを連れて地域を巡った内甑さんと山下さん。

北山での対話を重ねていく中で、加藤さんは山下さんのコミュニティナース活動に着目します。

高齢者が多い地域だからこそ、こうした活動を通して地域に還元していきたいと話す山下さんと、その取り組みに関心を抱いた加藤さんは、県内のコミュニティナースの方々と連携しながら「活動を広く知ってもらおう」と〈コミュニティナースとコミュニティ大工、それぞれの立場から地域を考える〉対談の動画撮影・情報発信を企画しました。

また、地域連携アドバイザー派遣2回目には、今後交流拠点となる空き物件の下見が行われました。

加藤さんは北山での時間を過ごし、「北山は長年に渡り色々なイベントをしてきた中で、移住に対する次の一手をどうしたらいいのかという状況でした。北山には山下さんが実際に移住した経緯がある。内甑さんが山下さんの取り組みを応援する側にまわることで、うまく進んでいくのではないかと感じました」と話します。

また、加藤さんは、「空き家を活用するにあたって一番大事なのは家が使われること。それも良き使われ方をすること。北山にとって良き使われ方というのは、新たな方がそこに来てくれることで地域の刺激となり、それが連鎖してまた他の方が来るというイメージ」とおっしゃいました。

事例紹介終盤では、そうした今後の展開を思わせるコミュニティナース活動や空き家再生など北山のこれからの展望を、力強い言葉で話す山下さん。

山下さんは、地域連携アドバイザー派遣を活用し、「地域の価値や魅力を見出せました。アドバイザーと出会い、考え方も変わりました。実際に来てもらって色んな人に知ってもらうこと、また、こうしてシンポジウムのような場に呼んでもらい、地域の名前が出るというのもすごくいいことだなと思います」と語りました。最後に「迷っている人がいたら、アドバイザー派遣は受けた方がいいと思います。相談してみる価値がすごくある」と会場の参加者を後押ししました。

また、内甑さんは、「どうしたらいいのか、(地域活動が)詰まってきた中で昨年のシンポジウムに参加しました。一人で悶々と考えているよりも、これだけの人数で笑って話していると、モチベーションが上がってきて『せんないかんね』という気持ちになりました」と笑顔で話しました。

【第二部】地域連携アドバイザーや参加者との交流会/分科会

第二部では分科会に分かれ、地域連携アドバイザーや参加者同士の交流を行いました。

分科会①

生む・拡げる・巻き込む
~情報発信と拠点づくり~

分科会①では、アドバイザーの山本さんと四元さん、事例発表者の湯目さんご夫妻とともに、地域の情報発信や広報について、お三方のこれまでの経験や専門的な知見を交えながら意見交換を深めていきました。

分科会②

見つける・創る・繋げる
~地域の捉え方と活かし方~

分科会②では、農村地域である日置市高山の立和名さんと、人口増が進む鹿児島市吉野町の永山さん、長きにわたり地域に根付き活動してきたお二人への質問をベースに、県内各地・多様な事例に携わる市村さんとともに、地域活動について思いを交えていきました。

分科会③

続ける・寄り添う・支える
~積み重ねる地域づくり~

分科会③では、地域おこし協力隊卒業後、事業を継続する村上さん、これから新たな活動を展開をしていく北山コミュニティ協議会の内甑さん・山下さんのお話をベースに、長きにわたる頴娃での活動をはじめ様々な地域事例に関わる加藤さんとともに、地域の取り組みを深掘りしていきました。

ふりかえりとチェックアウト

分科会後、それぞれの会場で行われた話し合いを全体に共有します。

その後、周囲の3~4人で感想を共有。
今日の気づきを自分の言葉にして持ち帰ります。

最後に、今年度の地域連携アドバイザー派遣についての説明をいただき、令和4年度地域資源活用・協働促進事業キックオフシンポジウムは幕を閉じました。今年も県内各地から様々な立場で地域に関わるプレーヤーが集まったシンポジウム。それぞれに気づきやヒント、新たなつながりを得て、それぞれの地域に戻られたことと思います。皆さん本当にお疲れ様でした!

令和4年度地域連携アドバイザー派遣募集について

鹿児島県共生・協働センターでは、
今年度も地域連携アドバイザー派遣団体を募集しています。
まずは、気軽にお問い合わせください。

◆概要
鹿児島県共生・協働センターでは、地域コミュニティ組織やNPO法人等、持続可能な地域づくりに向けて活動しようとしている団体や既に活動している団体からの依頼に対し、各団体の課題に対応したアドバイザーを派遣し、専門的見地からの助言・支援を行います。アドバイザーの派遣に係る報償費や旅費は県が負担します。(※派遣可能団体は、最大4団体、原則1団体3回まで)
◆地域連携アドバイザー詳細
 【地域連携アドバイザープロフィール一覧】
◆派遣対象団体

 地域コミュニティ組織やNPO法人、ボランティア団体等
派遣実施期間
 派遣団体決定日(令和4年9月上旬)から令和5年2月(日曜日)まで
◆募集団体数
 4団体程度
◆申請期間
 令和4年7月20日(水曜日)~8月19日(金曜日)午後5時まで(必着)
◆申請方法
 応募書類を県共生・協働センターへ送付(郵送または信書便に限る)する  か、直接持参してください。(※)ファクスや電子メールでの応募は受け付けません。(※)8月19日(金曜日)午後5時を過ぎてから到着した書類は受け付けません。
◆「募集要項」及び「申請書」等の詳細
 
県共生・協働センターホームページ(外部サイトへリンク)に掲載
◆問い合わせ及び提出先
〒892-0816 鹿児島市山下町 14-50
かごしま県民交流センター 東側1F
共生・協働センター 担当:迫
TEL 099-221-6605(直通)
FAX 099-227-2247
E-mail: p-kyodo@pref.kagoshima.lg.jp


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