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【エッセイ】月が綺麗ですね

冬の夜は寒い。当たり前だけど、それは夜に外に出た人じゃないと分からない。

一昨日の月はウルフムーンだった。夜なのに空がいつもより明るく照らされていて、何故だかそれが楽しかった。今日も月を見に行こう。私は夕飯を平らげて外に出かけた。

まだ日の出してからそこまで時間が経っていなかったからか、隣家の屋根からちょっとだけ顔を出していた。もうちょっと時間が経たないと綺麗に月が見えない。もう暫くだけ待ってみよう。

これも当たり前だけど、そんな簡単に月は空の上へと昇っていかない。ただ月を見るためだけのために私は一人寒さ我慢大会を開催する事になってしまった。

はよ昇れ!私は心の中で月に悪態をついた。それでも月は一時間に十五度しか昇らない。私は一眼レフを片手にどの角度で撮ったら綺麗に写るか手探りしていた。

しかしどの角度で撮ろうとしても、隣家の屋根が邪魔をしてしまう。もっとズームしたいところだけれど、私のエントリーレベルの一眼レフではこれだと思う所まで拡大できない。また、脚立を忘れたのでどうしても手ブレしてしまう。色々と残念である。そもそも「こんなに明るいんだぞ!」っていうのを取りたいのに脚立を忘れるとは何事か。露光時間を長くした方が光りをいっぱい取れるので、そのためには脚立は欲しい。でも、小さく光り輝く月を露光時間長めに撮った所で街灯を撮るのと大して変わらないのでは?頭の中がこんがらがってきた。きっと冬のせいだ。

結局10分しか外に居られなかった。だって寒いんだもん。私は自分の部屋に戻り、暖房のチカラでぬくぬくと温まった。

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