【エッセイ】タイムマシンなんかいらない
十一月も三分の一を経過しそうというのに、まだまだ暖かく感じる。もしかすると今年は急に冬が訪れるのかもしれない。昨日まで暖かかったのに、なんで今日は雪なんだ!みたいな感じ。首都圏に住んでてそれは無いか。雪は降ってる間は楽しいけど、積もると路面は滑るわ自転車が転倒するわ車が右往左往するわで大変になる。積もらない程度の雪が一番良い。
今日は雨が降っている。散歩に行くのも億劫だ。これは日頃筋トレをサボっていたのを見ていた神様からの「今日こそは筋トレしろよ。」というメッセージなんじゃないだろうか。よし、今日こそは筋トレするぞ!と頭では考えながら体はYouTubeの動画再生ボタンを押していた。我ながら意思が弱い。
動画では「のん」が歌を歌っていた。事務所に「能年玲奈?贅沢な名前だねえ。今日からお前は「のん」だ!」と言われて改名した、あの「のん」である。(実際は知らん。)あまちゃん以来、ほとんど見ることはなかったが、YouTubeのオススメに何故か上がってきた。お世辞にも上手いとは言えないが、意外と声は出ていてキレもありロック歌手っぽい。こういう一面があったのだなとYouTubeで知った。全く会ったことない赤の他人なのに「元気にやってんだな」とか思う私の脳内もどうかしてるが、素直に嬉しい。多分この感情は小学校以来会ってなかった知り合いの情報をたまたま聞いて、「アイツ今そんなことになってのか!」とノスタルジーと意外性に対する驚きが同時に押し寄せるあの感情に通じるものがある。また、雨の日だからこそ雲を吹き飛ばすようなこういう元気な曲を聴くのもオツである。
ただ、何だろう。単純に新しい曲を聞かなくなってきた。音楽は好きなんだが、「何これ新しい!」ってだけで飛びつく感情が失せつつある。これが「老い」か。そういえばYouTubeも流行ってる曲は聞くが、その下に埋もれている有象無象の曲を聴くことが少なくなっている。単純に「昔の曲でも十分に楽しめる」ように体が慣れてきたというのもあるけど。
「昔の方が良かった。タイムマシンで昔に戻りたい。」とならないよう、日々自分のできることを大事に積み重ねよう。私は凡人なので、それしかできない。寧ろ目の前に突如現れたタイムマシンを破壊するくらい、過去と未来に執着を持たないで生きていきたい。
そろそろ筋トレしよっと。
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