【感想】星を継ぐ者

今更ながら、SF古典の名著を読了した。この小説はもちろんフィクションだが、現実には存在しないルナリアンの化石をもとに観察し、考察し、そして課題を解決しては、また新たな課題にぶつかり仮説を立てて、その仮説が正しいかさらに検証していく。そのプロセスがそのまま小説になると言うことが当時は衝撃だったのかもしれない。そしてそのストーリーは今なお想像をかきたてるものであり、アマゾンランキングでも多く評価されている。この小説を正しく理解するには、宇宙や物理学の知識、進化論、人類史など多くの知識が必要だが、そんな細かいことを知らなくても、科学者たちの未知に対して解決しようと言う熱意が、読者の心を震わせる。わからないことを解決するためには、たとえ自らの仮説が嘲笑われようと、結局間違っていようも、それが客観的に証明されることに価値がある。研究者とはそのようなことを考える生き物だ。ロジカルに考える事が好きな人が読んだら、共感する点は多いのかもしれない。人類とは何か、どこから来たのか。そんな妄想を掻き立ててくれるスケールの大きい小説だった。

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