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【エッセイ】今朝の車窓

朝六時。体は起きたが脳は寝てる。今日は久々の出社だった。頭はボーッとしているが、早く出ないと間に合わない。急いで身支度を整え出発した。

外に出ると思った以上に冷気が体に突き刺さる。朝がこんなに冷たいとは気づかなかった。しかしお陰で目が覚めた。私は急いで駅に向かった。途中、頭をポリポリ掻いているオジサンを追い抜いていく。とにかくこのオジサン異常に進むのが遅い。そのため最寄駅に行く際に幅が狭い道で頭ポリポリオジサンと遭遇してしまうと電車に乗り遅れてしまう。私は最初で最後の難関を乗り越え、最寄駅には予定の十分前に到着できた。

私は特急券の切符を購入した。自宅から会社まで普通に通うと片道二時間かかるし座れない。そのため体力を温存するため今日から特急に乗る事にした。

私は指定された座席に座り、朝食を食べ始めた。今日の朝食はおにぎりだった。電車が出発すると、車窓からは朝焼けで照らされた私の住む街が見える。いつも見てる筈の街なのに、太陽によって美しく見える。なんだかちょっとした旅行をしているようだ。

江戸川を渡る時、下町の名スポットであるスカイツリーとその奥に富士山が見えてきた。今年初めて見た富士山はの山頂は既に雪化粧をしていた。冬は空気が澄んでいるため、見通しが良いと東京でも美しく壮大な景色を見ることができる。車内だったので写真は控えたが絶景だ。しかもスカイツリーと富士山を両方望めるのはこの季節だけ。「早起きは三文の徳」という諺があるが、この景色で私は一文得した気がした。

私はそのまま富士山を眺めながら終点の上野へ到着した。あっという間だったが、これから会社に行くのに既に小旅行を終えた気分になっていた。昔は電車の中で何かの為に必死になって勉強していたが、何でこの景色をもっと見ておかなかったんだろう。何か小さくて大切な物を私は溢れ落としてるような気がした。

今後も気が向いた時にいつもと違う経路で通勤の行き帰り変えてみたりして、車窓を眺めてちょっとした変化や気づきを見つけていきたい。

皆さんもたまにはスマホを見ずに、ボーッとしながら過ぎゆく景色を眺めるのはどうですか?インターネットも良いですが、リアルな世界も乙な物です。

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