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【エッセイ】雨

寒い日の雨ほど億劫になる天気は無い。ただでさえ寒いのに、そこにさらに追い討ちをかけるように水がキーンと肌に滴った時の冷たさといったら身が凍えそうになる。全くやめて欲しいと思いながら、私はまだ夏の内に消化できなかったチョコアイスを齧っていた。考えている事とやっている事がバラバラのように読者は思うかもしれないが、冬のアイスは溶けにくいというメリットがある。寧ろ冬こそアイスだろうという考えは、私が子供の頃から一貫してブレてない。本当にどうでも良い事だが。

いつからか忘れたが、自宅の道路は綺麗に舗装されて水溜りが出来なくなった。今の子供達は「おじさんの傘」を読んでもピンと来ず「雨が降ったらピッチャンチャン」が出来ないんじゃないだろうか。小学生の頃、「自分も大人になったら水溜りで遊ぶことがあるのだろうか。」と思っていたが、その希望は人類の進化によって悉く打ち砕かれていたようだ。私が童心に帰る時はミニ四駆と遊戯王くらいだろうか。最早大人が用意してくれたものでないと大人も童心に帰れなくなってしまった。

雨の日は心も陰る。こんな時は富安風生の俳句でも思い出そう。

秋雨の つめたきことの こころよさ

やっぱり名句は感性が違いますな。今の私にはわからんよ。

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