【エッセイ】都会人だからこそたまには自然を相手にした方が良い
「中々ダイビング上手くならないんですよね。」
私は何故上手くいかないのか、自分なりに考察しながらインストラクターに相談する。
「上手くならないというか、まだ潜ってる回数が少ないよね。慣れればできるよ。」
私はまだ初級ダイバーなので、私の質問は大体この説明で何とかなってしまう。如何にいつもの自分が頭でっかちになってるか思い知らされる。だからダイビングは好きなのかもしれない。
スポーツというのは大抵そうだけど経験値が大事になる。勿論何かを競う為に自分の体のデータを取って傾向を探り、弱点を補うように行動を変えるというのは現代のスポーツ科学として常識だと思う。
でも私がインストラクターにしている質問のレベルは
「どうやって二足歩行できるんですか?」
と聞いてくる赤ちゃんみたいなものだ。そんな赤ちゃんに対し、
「君は足の筋力とバランス感覚が出来てないね。だからこういう運動をしたらいいんじゃない?」
とか教えてくる親はほとんどいない。一応インストラクターも大人なので、聞かれたからには自分の感覚は言語化して伝える。先程の「歩く」に対しての回答だとすると
「私は特に意識してないけど、歩く時に体の重心を移動させてると思うよ。前足を踏み出す時は後ろ足一本でもバランスを崩さないようにしてるかな。」
そんな風に言われて、わかりました。できました。という赤ちゃん達はいない。運動は「頭で覚えず体で覚える」のが基本だ。だから回数をこなさないと、ものに出来ない。
普段デスクワークしてると基本的に頭だけ働かせて何とかなる仕事が全てだ。日常も料理の作り方もインターネットを見ればそれなりにわかる。他にも電車の乗り換え方法、友人との連絡、美味しいレストランの場所など、大体インターネットが有れば何とかなる。
ダイビングはそういった事がインターネットから得られる知識だけでは完全には理解できないのが良い。自然を相手にするスポーツって感じがする。
「冬の海ってどれだけ冷たいんですか?」
って聞かれたら普通は困るかもしれないが、ダイビングやってると答えられる。この辺も感覚としてインプットされる。
しかも回数を重ねれば重ねただけ潜れるようになるから自分が上達しているのを実感できる
私は月に一回しかやらないけど、今後も細く長く続けていきたい。
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