【エッセイ】@南武線
鹿島田駅の駐輪場近くに芒が生い茂っている箇所がある。そこには「お前達こんな所にいたのか」と思うくらい雀がいっぱいいる。昔、芒はその辺に生えていたものだが、次々と一軒家やマンションが建ち並び、芒を見る機会と共に雀を見る機会も減ってしまっていた。その雀が都会の喧騒からやや外れた所でチュンチュンしているものだからちょっと驚いた。私が雀を観察しようとすると、雀は見つかるのが怖くて生い茂った草木の中に潜って隠れる。何羽かはそこから少しだけ羽ばたいて移動する。雀にとって、芒は食料になるだけでなく隠れ家にもなっているようだ。今日はちょっと珍しいものに気付けた。
武蔵小杉駅の南武線と横須賀線の乗り換えは長い。大抵「歩く歩道」を使わないとやってられない距離なのだが、この「歩く歩道」を歩く時だけやたら速い人がいる。「歩く歩道」が終わり、普通の地面に戻った瞬間に歩く速度が急激に落ちるので、私に追い抜かれてしまう。本人にとってはどうでも良いのかもしれないが、私はこのメカニズムが非常に気になる。
もしこの人達が「歩く歩道」限定で五十メートル走をやったら、もしかすると本人達が思っている以上のスコアを叩き出すかもしれない。昔「トリビアの泉」で世界的陸上選手が「歩く歩道」で走ったらどうなるか検証した所、普通に地面で走る時間とそんなに変わらなかった記憶がある。
しかし、この「歩く歩道」に特化した人達が本気で走ったらどうなるだろう。陸上選手はあくまでもトラックで走る事に特化した人達であるのに対し、「歩く歩道」に特化した選手になるかもしれない。また一つ、私の心の中で新たなスポーツが誕生してしまった。
でも普段使いの人は走らず歩いて欲しい。危ないから。
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