ビスマスレポート
ビスマス考察 2022年7月17日 実施分
花牟礼 ほのめ
本日、ビスマス結晶の制作を行った。
※取り急ぎのため文章に間違いがある可能性、また実験の手順を踏んでいない(条件を一度に複数変更している)ため、行き届かない部分があると思います。
予めご了承ください。
=使用した道具=
500ml ステンレスカップ(炉)
カセットコンロ(グリーンウッド製/ガス式)
ビスマス 約2.57㎏
ピンセット(切手用)
スプーン(セリア・カレースプーン)
ラジオペンチ
クリップ
マッコリカップ(アルマイト製)
=実施内容=
前回までの実験でステンレスカップ内に溜まっているビスマス全量をコンロで加熱、融解
コンロの火を止め、加熱をやめる。
直後、表面にできている酸化膜をスプーンまたはピンセットで取り除く
(ここでいくつかの方式を試す)
液面に育った結晶をピンセットで引き上げる(チョクラルスキー法・スカルメルティング法からヒントが得られる?)
ある程度引き上げたら(3分くらい?)再加熱し溶融。
この時点で表面も完全には固まっていない。また加熱条件も幾度か変更したので、完全に溶かしなおす場合、表面だけ溶かす場合の2種類がある。
=前回までに分かっていること=
・単純に容器をデカくしてもダメ。
容器を雪平鍋(直径15㎝)にした(理由:大きな容器でゆっくり冷えれば大きな結晶が取れると考えたため)
薄い5㎜程度の結晶しか取れない
→急速な温度降下が大きな結晶成長のカギ?
・結晶には2種類ある
1、表面に横向きに小さな正方形(数ミリ)で形成される結晶
2、Y軸方向に直径3ミリ程度、長さ2センチ前後の細長い結晶
の2種類が存在する。
1の結晶は、必ず発生する。
条件が整うと1、2両方の結晶が発生し、大型の結晶が育つ
・針金を投入すると大きな結晶が育つ
中央付近に針金を投入すると、針金の熱伝導で中央付近が冷え、大型の結晶が採集できる。
これは多くの場合細長いラッパ型、縦横比1:2に近い結晶を形成する
これらを踏まえ、今回の結晶制作に臨んだ。
=今回の実験と分かったこと=
・針金を使った結晶の採取
前回同様針金を使った大型結晶の形成を期待し(チョクラルスキー法に近いし)
何度か、温度・引き上げタイミングなどを変更しながら行ったが、
あまり大きなものが育たない(普通の採集と結果に変化が少ない)・一度に一本しかとれず効率が悪いことが分かった。
・加熱の仕方と黒い結晶
加熱を行う際、過度な加熱を行う(結晶の出来が悪くなる)といくつかの合図が出てくる
1、 表面が白く曇る
表面にできる酸化膜の明度が上がり反射が弱くなる。これは表面を何度除去しても変化が少ないので容易にわかる。
2、 黒い結晶が育つ
この状態で育った結晶は温度の低下が遅くなる(?)ため、結晶の成長が遅く、表面の模様に黒い濃い酸化膜が取り込まれると思われる。
この結晶は薄く、結晶の形もぼんやりしている。
以上2点から加熱のし過ぎはNG
・時間の経過に比例して、結晶が小さくなる。
最初期に取れる結晶が大きく少なく、色は金色に近い。
最後期に取れる(液面の6割以上が結晶に覆われた状態)結晶は数が多く小さく、薄い
色は寒色系中心。
・酸化膜に保温効果がある。
酸化膜を全く取り除かないと、結晶は小さく薄くなる
また、酸化膜を取り除いた後にピンセットで新しい酸化膜に穴をあけると、その穴を中心に結晶が育つことからも酸化膜による温度差が結晶形成のカギになると考えられる。
さらに言うと、この穴は小さいほど、良い結晶が育つ。
・現時点では収穫は1クールに2回が限度
・完成した後の結晶も、熱することで色を調整できる