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ニューヨークタイムズが選ぶ21世紀のベスト100冊(Part 1)

タイトルにある記事を読書家の友人が共有してくれた。21世紀も25年目に入り、ニューヨークタイムズは503人の小説家、ノンフィクションライター、詩人、批評家、やその他文学界に於ける著名人503人に今世紀に入って出版された書籍のベスト100冊を問うアンケートを実施し、その結果を公表している。

ざっとリストに目を通して自分が読んだ事ある本が何冊入っているか確認してみたところ、途中で投げ出したものも入れると16冊あった:

98位 Ann PatcettのBel Canto
この本はたまたま古本屋で見つけて読んだのを覚えている。それがこのAnn Patchettという作家との出会い。彼女はテネシー州ナッシュビルでParnasuss Booksという書店も経営していて良い文学を世に広める事に熱心な作家。この著者の他の小説CommonwealthやThe Dutch Houseも面白かった。エッセイ集These Precious DaysやThis is the Story of a Happy Marriageも同様。

79位 Lucia BerlinのA Manual for Cleaning Women
この本は私の個人的ベスト10入り間違いなしの作品。Lucia Berlinは2004年に既に亡くなっており、この短編集は彼女の死後11年の2015年に出版されたもの。生存中は一部の熱心なファン以外にはさほど注目されることなかった短編小説家。彼女が書くような短編をいつか私も書いてみたい。

74位 Elizabeth StroutのOlive Kitteridge
この作家の作品は全て読んでいる。
特にシリーズ化を意識して書いているわけではないだろうが、同じ人物が幾つもの作品を跨いで登場する。この作家の描く人物たちの今後の人生に注目せざるを得ない。プロットで読ませるものより心理描写や会話の面白さで読ませる本を好む私には魅力的な作品ばかり。離婚後の夫婦のその後の関係を描いたOh William!という作品は特に気に入っている。

54位 George SaundersのTenth of December
短編の名手George Saunders. 彼の描く世界は入って行きにくかったり居心地悪さを感じる場合も多いが、最後には救いがあり、彼の人としての良心が作品に貫かれている。彼は作品を書く傍らシラキュース大学でCreative Writingも教えており、その授業の内容を垣間見れるようなA Swim in a Pond in the Rain: In Which Four Russians Give a Master Class on Writing, Reading, and Lifeという本の中ではロシア文学の巨匠たちの作品を通して小説技法をわかりやすく解いている。Substackというサブスクリプション形式のコンテンツ配信プラットフォームでStory Clubというメルマガを週二回のペースで配信もしており、ここでも様々な短編小説を題材にストーリーの組み立て方について講義し、購読者たちと授業のような形式で対話を繰り広げている。長々と書いてしまったが、彼は後進の育成に熱心な作家だという事を言いたかったのだ。

まだ残り12冊あるが今日のところはここまで。

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