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絵を上手に見せる(見せられるかもしれない)コツ--コントラスト

別の記事で、私個人が独自に実践している色の塗り方を紹介しましたが、これはその続きにもなります。

対象物に実際にない色で塗る、と説明しましたが、この方法だと、パッと目を引くような素敵な効果が出る時もあれば、とんでもなく下手くそに見える時もあるのです。色の組み合わせがランダムなので、それぞれの色の相性がばっちりあって互いが引き立って見える時と、汚く混ざり合う時があるんですね。

いかに汚く(下手に)見える確率を減らしていくのか、が上達の醍醐味だと思って描き続けていますが、経験を重ねても「何となく分かってきた」程度で、失敗しないセオリー!みたいなものは未だ見つかりません。絶対失敗しない方法が分かってしまうと、それはそれで工夫する面白みがなくなってしまうのかな、と、負け惜しみを言っております(笑)。

そんな中でも、私が唯一と言っていいほど気を付けていること、それが、「明暗をはっきりつける」。です。
これは、他の方たちの絵を見て、私が個人的に惹きつけられる絵はどんな絵か、というのを考えている時に気づいたのですが。

明るく綺麗な色だけを選んで、柔らかい感じで塗っている絵は、あまりインパクトを感じない。

逆に、暗めのいろばかりの絵は、目のやりどころがよく分からない。

両方のバランスが絶妙で、明るいところはキラキラしており、暗いところは実際にあり得ないくらい暗くなってる絵は、無条件に「上手い!」と思ってしまうのです。
これは、あくまで個人的な感想なので、同意しない人も多いと思います。あくまで私自身が、「自分が描くならこういう絵を描きたい」というものの共通点が、「きっついコントラスト」であった、ということです。

それまでは単にフィーリングで好きなところに好きな色を入れて、上手くできれば万々歳、ヘンになったら封印...という感じだったのですが、「暗い所に塗る色」(茶色、紫、深緑...)と「明るいところに塗る色」(オレンジ、ピンク、黄緑、水色...)と、色を明るさで分類して塗る箇所を決めるようになって、若干失敗の率が下がった気がします。

以下は具体的な例。どちらも魚をモデルにしていて、色もなるべく単一にならないようにいろいろな色を混ぜていますが、上はコントラストはあまり意識せず、下は暗い部分を強調するようにしています。バックの影も、対象物(魚)の存在感が浮き立つように工夫しています。逆に、光の当たる部分は塗り残して白を強調させます。

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もう一組の比較。人物は色を冒険するのが難しいのですが、上の写真(日付を見ると2015年ですね)は、おっかなびっくり塗っているため、暗い所にも薄くてきれい目の色しか置いていませんね。去年(2021年)に描いた下の写真になると、肌に紫を大胆に乗せて、コントラストを大きくしているのが分かります(今見直すと、髪の毛はもっと暗くしたかったなあ)

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このようにコントラストを付けて描く際の「明」と「暗」の境目ですが、これも、徐々にぼかすか、くっきり分けるかで、大分印象が変わります。2つの色の間に、中間になる色を入れることもありますが、これも、隣の色と似ていて、明るさだけが違う色を入れる(茶色-黄土色‐黄色など)のか、それともぜんぜん異なる色で光の当たり方の違いを表すのか(紫‐水色‐黄色など)、試してみるといろいろな効果が分かってくると思います。

基本、絵の描き方に正解はない、というのが個人的な考えなので、これをアドバイスとして紹介する意図はないのですが、もし、ちょっと変わったスタイルで絵を描いてみたいけど、どういうところを変えて行けばいいのか悩んでいる方がいれば、こんな考え方もあるんだなー、と、参考にしていただければと思います。


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