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野外スケッチ初挑戦ーー苦手意識を克服できるか??その成果は?

プロアマ問わず、野外に出て自然や建物をその場でスケッチするのは非常に人気ある活動の1つです。

私も、屋外でスケッチブックを手に無心に絵を描いている人をみると、憧れのまなざしで見つめてしまいます。

ところが、私自身は今まで野外スケッチというものをしたことがありませんでした。なぜ?と自問しても、上手く言えないのですが、一言でいえば「気まずい」のだと思います。

私は普段、家の中で一人で、その辺にあるものや写真を参照に絵を描きます。じっくり腰を据え、時間をかけて、飽きたら中断して本を読んだり家事をしたりして、気のすむまで1つの絵を仕上げます。そのような非常にプライベートな活動を、家の外に持ち出して、無防備に行う、ということに、ちょっとした恐怖心を感じるのです。

ただ、今年に入って、本格的に絵を描くことを生活の一部に取り入れようと決心した際、野外スケッチにはどうしても挑戦したいと思いました。もともと外を出歩くことは好きで、加齢とともに運動も日課とする必要が出てきたこと、子供たちが巣立って、以前からやってみたかったもう1つのこと、ドライブも、積極的に実践したいと思ったこと、それには、「外に行って絵を描く」という活動が最適じゃないか!ということで、「初めての野外スケッチをGW前に実践する」というのを4月の目標に決めました。

そして先日、ついに初めての野外スケッチが実現したのです。

自転車でサイクリングロードを走りながら隣町の道の駅まで行き、その途中で絵を描く、という計画で実行したのですが、振り返ってみると実にあわただしい、というか、びくびくの体験でした。自転車を止めてスケッチブックを取り出す、ということに、非常に緊張してしまい、周りを見て人がいるとスケッチブックを閉じてしまったり、2,3本の線を描いただけで、落ち着かなくなって次のスポットを探したり...とにかくぎこちなかったです。

結局、ほぼまっすぐ目的地へ行き、そこで20分ほど座って恐ろしく幼稚なスケッチをして、すごすごと帰ってきてしまいました。サイクリングと野外スケッチが目標だったのですが、サイクリングが90%になってしまいました。

それでも、初挑戦できたことは、いくらか自信になりました。なんと、スケッチをしている際に、カメラを持っている女性に声を掛けられ、ほぼ描き始めの絵を見せてくれと頼まれ、描いてるところ(後ろ姿)を写真に撮ってもらったのです。野外スケッチの一番の恐怖が、人に覗き込まれたらどう反応しよう、ということだったのですが、まさか、初めの一発で他の人から声をかけられるとは...。ただ、とてもやさしい方で、緊張しっぱなしだったものの、褒められてちょっと得意な気持ちにもなれました。ハードルを1つ越えた思いです。

というわけで、記念すべき初野外スケッチがこちら。我ながら、ドヘタです。時間もかけてないし、詳細もほとんど捉えていない。色も全く選べていない。それなのに、これを見ると、いろいろな思い出がよみがえってきます。写真を丸写ししたのではない、その場で、生の音やにおいに混じって、春の温かさを感じながら描いた感触が、見るだけで再生されます。

自転車で4時間近くさまよって、成果がこれ…(汗)

こうしたことから学んだのは、野外スケッチというのは、人に見せるために描く絵ではない、ということです。旅のメモを描くように、純粋に、個人の体験を記録するためのものであって、上手い下手、時間を描けたかかけないか、いい場所を選んだか否かは問題ではないのですね。

ただ、あまりに情けない出来だったので、帰り道、気に入った風景を写真に撮って、家に帰って描き直しました。この辺の妥協は許されるかな。スケッチと並行して、写真撮影もやってみたい、という欲が出てきました。

道端で撮った写真
水彩色鉛筆で。大きな木が作る影と、菜の花が印象に残りました。

最後に、スケッチに持って行ったものをお話しします。自転車だったので負担のないよう、Winsor and Newtonの固形水彩絵の具のパレットと、軸に水が入る水彩用の絵筆、鉛筆、消しゴム、筆をふくためのタオルをジップロックにまとめて持っていきました。スケッチブックはターレンス社のArt CreationというB5サイズのスケッチブック。大きさはちょうどよかったと思います。風が吹いてページを抑えるのが大変だったので、次はクリップを持っていこうと思います。水彩は、混色ができるので色数が少ない小さなパレットを持っていけるのですが、乾くのが遅いので失敗したかな、と思いました。次回は色鉛筆でも挑戦してみたいですね。

最初の恥は、これでかいたので、これからもどんどん出かけていきたいです。同じように、野外スケッチに苦手意識のある方が、これを読んで何か参考になれば幸いです。

水彩パレット。基本的な色があって、色を混ぜるスペースもあるので、外で描くのに最適でした。

スケッチブック。ちょっと水は吸わないなあ…と感じましたが、ちょうどいい大きさの上に表紙が固くしっかりしていて、描きやすかったです。


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