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クレヨラクレヨン - 安かろう悪かろう?

クレヨンの良さについては別の記事で紹介していますが、今回は特定のクレヨンブランドに関するお話です。

日本に住んでいるなら、クレヨンで絵を描いてみたい!と思い立ったら、まずぺんてるやサクラといったよく知られたブランドのものを買えば、はずれはありません。各社のくれよんの違いも、あると言えばありますが、取っ掛かりはどちらを選んでも特に問題はないと思われます。

これらのクレヨンの一番の利点はお値段。学校で使う事を想定しているので、1本100円以下です。これなら、下手なうちも遠慮なくガンガン使って練習できます。

こうした安価で優れた国産クレヨンのおかげで、クレヨンというものは安くてもしっかり描けて当然...というのが当たり前だと思っていました。なので、日本のものよりさらに安く、しかも色数豊富なクレヨンのセットを見つけた時は、心が躍りました。

Clayora(クレヨラ)-- 聞いた事のある方もいるのではないでしょうか?

数年ほど海外で子育てをしたことがあるので、私にとってはなじみの深いブランド。クレヨンだけでなく、マーカーや色鉛筆でもお世話になりました。ただ、あくまで幼稚園指定の画材として子供に与えていたので、自分で試したことはなかったのです。

心が動かされたのは、その色数の多さ。こんなにたくさんの色があるとは知りませんでした。しかも、安い!日本のアマゾンでも(一部特殊なセットを除いて)安い!

海外で広く使われていて、こんなに色が多くて、しかも安い!写真を見ただけで心を踊らされて、64色セットを購入しました。価格は1000円ちょっと。ぺんてるクレヨンの30色セットとほぼ同じです。

新品の画材は、ワクワク感が半端ない。

色のセレクションについては申し分ありませんでした。基本色から、暗めの色、パステル色と、実にカラフル。オレンジ・紫系が多く、逆に黄色が若干乏しいですが、見てるだけでワクワク。

ただ、1つ見落としていた点があって。それが「塗り心地(品質)」でした。

作品を仕上げてみて、一番に感じたのが、「海外の子供はこれで絵を描いてるのか?ちょっとかわいそうじゃない??」というものでした。我が子が使っているのを見ているはずなんですけどね...(汗)

とにかく、硬く、色が薄い。日本で言えば、クレヨンよりクーピーに近い塗り心地です。勝手な感想ですが、成分はほぼワックスで、顔料を思いっきりケチっているのでは??と。

それでも色数はあるので、塗り重ね(ほとんどできません)せずともそれなりの表現は出来るのですが。こちらが初トライのエルビス。影の部分に苦労しました。本来ならもっと暗くしたかったのですが。

日本のクレヨンで描くような絵を描くつもりだと、結構失望します。ただ、後日他の海外ブランドも試してみて気付いたのですが、日本のクレヨンがむしろ、硬さや発色が、「クレヨン」ではなく、「オイルパステル」の部類に入るのでは??ということに気づきました。一般にオイルパステルは価格が高めなので、それをクレヨンとしてあの価格で売っている日本のメーカーがすごすぎるということだったのかも...

その点、クレヨラ社は、「クレヨン」と「オイルパステル」の差別化をきっちりしていると言えます。クレヨラ社のオイルパステルは、コスパ最強の素晴らしい製品だと思うので、こちらを後の記事で紹介したいと思います。

そういうことで納得してしまえば、クレヨラ社のクレヨンも、それなりの楽しみ方ができます。まず、硬いので色のべたつきが少なく、上からフキサチーフのようなコーティングをかけなくても色がかすれたりうつったりしません。画用紙にごりごり描く、というよりは、塗り絵や、ノートへのらくがきにむいているのではと思います。サイズも日本のクレヨンより一回り小さく、横に寝かせるのではなく箱に縦に入っているので、机の上に出して箱から出し入れして塗るには向いています。他にも、楽しめる要素はたくさんあるし、何より安い(しつこい。汗)ので、こんなものだと割り切ってしまえば、素晴らしい画材になり得ます。

あ、ただし、前の記事で紹介した、色画用紙へのお絵描きには、向いていないかも。色ののりはかなり悪いです。

興味があれば、ぜひ楽しんでいただければと思います。

96色。こっちの方が欲しかったけど、結果買わないでよかったかな??


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