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お師匠様と私

私には、大切なお師匠様が何人かおられます。

そのうちのお一人、鍼の師匠のことを
書かせていただきます。

鍼灸学校の2年生の冬、私は体調を整えるため、妊婦時代にお世話になっていた鍼灸院を訪ねました。

そこの先生は女性の方で、大変きれいな小柄な方。
いつも穏やかで
優しい鍼を打たれます。

私は鍼灸学校に通っていることを伝え
こちらのアシスタントをさせていただきたいと申し出ました。

それ以来4年、お世話になっています。

1番びっくりしたことは
治療室から笑い声が絶えないこと。

お体が辛くてこられているはずなのに
どうして笑いが堪えないんだろう。

2番目にびっくりした事は
何十年も通っておられる患者さんがおられること。
痛みや怪我が治られたら来なくなるんじゃないの?

私には渦巻く?がたくさんで
不思議で仕方ありませんでした。

4年働いてみてわかったことが、
たくさんあります。
その間に私も、自分のお店を持たせていただいています。

患者様は
先生とのやりとりを求めて来られていること。
患者様は信頼を寄せていて
「怪我である自分」から、「健康な自分」を目指して通われていると言うこと。

先生のところに通うようになって
私は1度も、先生に不満を持った事はありません。

これまでいろいろな職場で働いてきました。
どういうわけかなかなか上司の方とうまく行かず、苦戦した職場ばかりです。

そんな私が
通うことを、一度も辛いと思わずに通うことができた、師匠の治療院。

4年が過ぎこれから5年目と言う時に
私はどういうわけか
先生の所を卒業したいと思っています。

そこに行くことが苦痛ではないのに、
行かない選択をしたくなる。

何度か先生に辞めさせていただけないかと話ました。
でも「1日でもいいから来て欲しい」
そう言われると
必要としてくださっていることへの感謝も湧き上がり今に至ります。

今は週一回半日のみ。
決して多くはありません。

でもどうしてなのでしょう。
私は卒業したくてたまりません。

少しだけ自立したいのです。

25年と言う長きにわたって
鍼一本で来られた先生。

それに比べて私は
起業してまだ3年の若造です。

それでも卒業したいと思うこの気持ちは
一体何なのでしょう。

感謝とともに
卒業したいと言う思い。

もう1歩成長したいと言う思いから、
来るような気がします。

鍼の腕前は、先生にはもちろん敵いません。
自分が25年経った時
先生のように鍼が打てるとも思いません。

ですが私は、先生の真似ではなく
先生の教えてくださったことを胸に、
自分のやり方で、
人の健康に貢献していきたいと願っています。

青は藍より出てて
なお藍より青し

私は
青くなれるでしょうか。

深くて
凛とした青。

私が
青になれた時
師匠を称えることができるのかもしれません。

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