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TEDxKeio High School Youthの“Catalyst(きっかけ・触媒)” 第1回、第2回を振り返って


皆様、こんにちは。第1回(2016年3月)と第2回(2016年12月)のTEDxKeioHighSchoolにてオーガナイザー(主催者)を務めました、慶應義塾高等学校68期卒業、慶應義塾大学大学院薬学研究科薬学専攻博士課程2年の福井一玄です。
TEDxKeio High School Youth - Catalyst -(第5回)、とても楽しく充実した時間を過ごすことができました!慶應義塾一貫教育の国内4校の在校生約100名がスピーカー(登壇者)、パーティシパント(参加者)、実行委員として参加し、そこに卒業生スピーカーが加わり、エネルギーが重なり合い、力が満ち溢れた場でした。貴重な場に運営OBとしてお招きいただき、また今回はco-organizerとしてお手伝いできたことは大変嬉しく、御礼申し上げます。
今回のTEDxのワークショップでは、開催趣旨「自らの志に従って行動する人物となること」に基づき、登壇者と参加者により複数回の熱い議論が行われました。互いの考えを知り、それを志として将来に繋げることに焦点が当てられたことは、参加者にとって今回のテーマ”Catalyst(きっかけ・触媒)”を実現する上で貴重な時間だったのではないかと感じています。


● TEDx開催のきっかけ

私がTEDxを開催しようと思ったきっかけは、他の一貫教育校の在校生から「学校同士でつながりが少ない」と言われた時、将来共に大学生活を送るにも関わらず互いのつながりが薄いのは寂しいと感じたことです。友人に相談する中で、それぞれの学校生活が充実しているため、「互いにどのように考えているか」を知る機会が少ないのではないかと気が付き、登壇者のスピーチ、交流会及びイベント運営を通して、参加者が学校の魅力や互いの考えを知ることができると考えました。また、スピーチによる発信と自由な交流ができる空間を作り、そのつながりを大切にしたいと思い至った時に、TEDxの「よいアイディアを広めよう(Ideas Worth Spreading)」の精神は私達の実現したいことと一致しているのではないかと考えるようになり、TEDx形式での開催を第一に据えるようになりました。

写真: TEDxKeioHighSchool (第2回)運営メンバー



●「日吉協育モデル」の一環として

TEDxの開催にあたり、慶應義塾高等学校より開設70年事業「日吉協育モデル」の一環に認定いただきました。日吉協育モデルとは、「正統と異端(イノベーション)の協育」の構築と実践を通して、国際社会で活躍できるリーダーの育成を目指すというものです(下記URL)。TEDxが日吉協育モデルの一環であったことは、様々なご後援のみならず、私達に多くの大切な視点を与えてくださったと感じています。私は、スピーチには、自身の意見を形成し単に発信するだけでなく、伝えたい想いが沸き起こり、他者への伝達を通じて知の共創を促す力があると考えています。開催当日、登壇者はスピーチを通して、既成の枠組みにとらわれず、新たな正統を創っていく上で大切なことを発信し、その後の交流会は、来場者がスピーチを通して感じたことを直接登壇者と対話する場として活かされました。そのため、スピーチと交流の要素を有する本企画は、多くの参加者にとって正統と異端の精神を刺激する場になったのではないかと感じています。本企画が高等学校の正統と異端の協育の一助を担ったならば幸甚です。
● 慶應義塾高等学校  「日吉協育モデル」についてhttps://www.hs.keio.ac.jp/schoollife/index.html
● 慶應義塾高等学校 校長メッセージ(阿久澤 武史 先生)https://www.hs.keio.ac.jp/profile/principal_message.html

写真: 交流会の様子(第1回、第2回)

至らない点も多くありましたが、多くのお力添えをいただき無事開催に至り、来場者として在校生、卒業生に加え、地元の方にもいらしていただき、当日参加者はライセンス上限の100名でした。第1回、第2回のスピーチ動画はYouTubeにてTEDxトークとして配信後計7万回以上再生され、2021年には国語便覧(大衆館書店)にて高校生が自らの意見を発信する事例として掲載いただきました。この取り組みを国内で先駆けて行うことができたのは、学生同士の”化学反応”を信じて挑戦させていただける慶應義塾の環境と、こういった場が必要だと考え、創っていこうと考える仲間に恵まれたからだと思います。
第1回の開催に至るまでの経緯は、慶應義塾のKeioTimes記事及び、開催にお力添えいただいた北川先生の寄稿を是非ご覧ください(下記URL)。
末筆ではございますが、第1回より今回まで、開催にあたりご理解とご尽力を賜りました、先生と職員の皆様、各校同窓会の皆様、登壇者、参加者、ボランティア及び実行委員の皆様に御礼申し上げます。
現在準備中の第6回のTEDxKeioHighSchoolが更に素敵な会になることを私も楽しみにしております。
● KeioTimes「TEDx Keio High School 高校生×プレゼンテーションイベント」(2016/07/07)
日本語版: https://www.keio.ac.jp/ja/keio-times/features/2016/5/
英語版(English Ver.):https://www.keio.ac.jp/en/keio-times/features/2016/5/
● [塾] 2016 SUMMER (No.291)
一貫教育校の広場「TEDx Keio High School開催のキセキ(高等学校教諭 北川 彩)」
https://www.keio.ac.jp/ja/about/assets/juku/291/291_10.pdf

写真: TEDxKeioHighSchool (第1回)


● 第1回 TEDxKeioHighSchool - Together
動画:https://youtube.com/playlist?list=PLsRNoUx8w3rMywG_jgrtzUvOpqhI-WMyH&si=yRgGzCvcCJnN1_1M
● 第2回 TEDxKeioHighSchool - Prism
動画:https://youtube.com/playlist?list=PLsRNoUx8w3rOFfGatuaVjW3uhZyE6n2jO&si=UttsG6u1QqAGkFUF
当日の様子(写真):https://www.flickr.com/photos/145929663@N07/


執筆:福井 一玄
慶應義塾高等学校(68期)卒業。中等部3年次にアプリ「お薬のじかん」を開発し、アプリ甲子園2013にて第3位、TEDxKeio2013に登壇。慶應義塾塾長賞(一貫教育校)受賞。TEDx登壇経験に基づき、TEDxKeioHighSchoolを企画。この活動は慶應義塾高等学校開設70年事業「日吉協育モデル」教育プログラムの一環として認定。日本開催のTEDxオーガナイザーとして最年少および高校生初の2回実施。慶應義塾高等学校校長賞受賞。現在は、慶應義塾大学大学院薬学研究科薬学専攻博士課程(医療薬学・社会連携センター医療薬学部門)にて「患者主訴を活用した薬物治療向上に貢献するスマートフォンアプリケーションの開発」をテーマに研究に取り組む。

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